1975年、クイーンが初めて日本の地を踏んだ4月17日は日本記念日協会も認定するクイーンの日(The Queen Day)。日本中のクイーン・ファンが一堂に会するイベントとしても知られるThe Queen Day、今年は、<1981年ジャパン・ツアー40周年&結成50周年>を記念して、第七回が開催された。
この日はそれに先立ち、先月発売された「クイーン全曲ガイド2出版記念トークイベント」も行われ、その後The Queen Day Vol.7として、初来日および1981年のツアーにちなんだLIVE、関連したゲストトークが披露された。

The Queen Day Vol.7「クイーン全曲ガイド2出版記念トークイベント」レポート

「クイーン全曲ガイド2出版記念トークイベント」
浅沼ワタル×石角隆行

ゲストにカメラマン浅沼ワタルさんを迎え、撮影された貴重なライヴ・ショットやプライベート写真も交え、同書の著者である石角隆行さんがそのエピソードを聞き出していくスタイルで行われた。
浅沼ワタルさんは、映画「ボヘミアン・ラプソディ」でも取り上げられていたリッジファーム・スタジオで、初めてクイーンを撮影(ミュージック・ライフ誌の取材)。以降、メンバーからの信頼を得、直接撮影のオファーを受け、「ボヘミアン・ラプソディ」のミュージック・ビデオの撮影現場やレコーディング・スタジオ、イギリスで行われた数々のライヴやプライヴェートなパーティまでも撮影することとなった。
この日は1976年9月に行われたエジンバラ「プレイハウス・シアター」、15万人を集めたともいわれるロンドン「ハイドパーク」でのフリー・コンサート等のステージ&バックステージの模様がスクリーンに映し出され、ホテルや会場、楽屋で一緒だった浅沼さんだから撮影できたリラックスしたメンバーのショットも公開された。
さらに、ケンプトン・パーク競馬場で行われた「華麗なるレース杯」で馬券が当たり喜ぶフレディ・マーキュリーや、ライヴの打ち上げでのエルトン・ジョンやオリヴィア・ニュートン・ジョンを交えたメンバー・ショット、ロジャー・テイラーからランチに招待されたロンドン市内でのプライヴェートなスナップと数多くの写真が映し出され、当時浅沼さんが撮影に使っていたカメラや、フレディの写真が表紙を飾った音楽紙なども紹介。最後には浅沼さん撮影の貴重なプリントを会場参加者1名にプレゼントというサプライズもあった。

 

「The Queen Day Vol.7」
QUEER LIVE PART 1

<1981年ジャパン・ツアー40周年&結成50周年>ということもあり、最初に日本でも屈指の人気トリビュート・バンドQUEER(クイーア)が、結成50周年ということでデビュー期のセットリストを演奏。

1st Stage
M1-1 Father to Son
M1-2 Ogre Battle
M1-3 White Queen (As It Began)
M1-4 Grate King Rat
M1-5 In The Lap Of The Gods…Revisited

 

松林天平×石角隆行

続いてゲストとして元ワーナー・パイオニアのクイーン担当ディレクター松林天平さんが登壇。初来日から『ホット・スペース』まで、まさにクイーンの黄金期を担当した中での数々のエピソードを石角さんが司会という形でトーク・イベントが進められた。

松林さんは2代目クイーン担当ディレクターとして、75年4月17日初来日から81年西武球場ライヴまでクイーン来日コンサートに同行し、さらに数々のクイーン作品の日本盤発売に携わってこられた方。海外から送られてくる原盤素材を元に、一連の邦盤制作、さらには音楽専門誌、一般雑誌・新聞などの紙媒体へのプロモートと、日本に於けるクイーンのパブリック・イメージ形成に参画された。
初来日の武道館公演は、それまでのロックバンドに比べ圧倒的に女性ファンが占め、その声援の凄さ、フィナーレの「In The Lap Of The Gods…Revisited」では合唱、泣き声が渾然一体として武道館が揺れていることに驚いた──とのこと。
担当ディレクターとして最初の仕事は、日本盤シングルの邦題作成。初来日時の来日記念盤としてシングル・カットされた「Now I’mHere」は、先代ディレクターがデビュー曲「Keep Yourself Alive」に「炎のロックンロール」と題された流れで、“ロックンロール”という単語を含む邦題を10個程度考え提出、上司の一声で「誘惑のロックンロール」に決まった。以降作られた中でお気に入りの邦題は? という問いには『世界に捧ぐ(News Of The World)』「地獄へ道づれ(Another One Bites the Dust)、「愛という名の欲望」(Crazy Little Thing Called Love)」といった題名が挙げられた。
さらに、クイーンの「ウィ・ウイル・ロック・ユー」のリズム・アクセントが後のヒップホップに影響を与えたのではないか──という説も熱く語られた。

 

QUEER LIVE PART2

ライヴ第二部はアルバムQUEERにより、『フラッシュ・ゴードン』の収録曲を含む1981年のツアーが再現された。

2nd Stage
M2-1 We Will Rock You
M2-2 Let Me Entertain You
M2-3 Mustapha
M2-4 Keep Yourself Alive
M2-5 Vultan’s Theme
M2-6 Flash’s Theme
M2-7 The Hero
M2-8 Bohemian Rhapsody
M2-9 Tie Your Mother Down
M2-10 手をとりあって
M2-11 We Will Rock You
M2-12 We Are The Champions


クイーン全曲ガイド2 ライヴ&ソロ編

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  • クイーン全曲ガイド2 ライヴ&ソロ編

    四六判 / 324ページ / ¥ 1,760

    好評の「クイーン全曲ガイド」を補完する、ファン必携の一冊
    バンドの歴史を追いながらライヴ、ソロ、フレディ後がわかる!

    クイーンの公式録音192曲を、アルバムごとにその背景から制作過程、音楽性、歌詞、PVまでを徹底解説し、クイーン・ファン必携のバイブルとして好評を得た「クイーン全曲ガイド」(現在3刷)の著者、クイーン研究家の石角隆行が放つ渾身の第2弾。
    前作に収められなかったライヴ・アルバム&映像のガイドを軸に、デビュー前のスマイル時代からマジック・ツアー(1986年)を経て、ポール・ロジャース、アダム・ランバートとのコラボレーションまで、クイーン50年のライヴ・パフォーマンスを時系列で辿るクロニクル本。さらに「クイーン全曲ガイド」で書かれなかった各メンバーのソロ・ワークまでも網羅。

    「クイーン全曲ガイド」と合わせて本書を読めば、2021年に結成50年を迎えるクイーンのヒストリーがさらに深くわかる!

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