YOUNG GUITAR 2017年5月号:特集 ジョン・ペトルーシ
YOUNG GUITAR:表紙巻頭特集 John Petrucci
’92年にドリーム・シアターが2ndアルバム『IMAGES AND WORDS』をリリースしてから、今年で25周年。難解かつ複雑なプログレッシヴ・ミュージックというマニアックなフィールドにありながら、同時に万人を惹き付ける芳醇なメロディー要素も併せ持つ同作は、四半世紀の間にますますその輝きを増し続け、傑作としての評価を不動にした。現在その記念ツアーの真っ最中にある彼ら…、このタイミングで本誌でも一大企画を決行。名盤の魅力に多角的に迫る!! ここではギタリスト:ジョン・ペトルーシのインタビュー記事の一部を紹介しよう。
ーー今年1月からスタートし、今後もまだまだ続く予定の“Images, Words And Beyond”ツアー。このプランはどのように立ち上がったのでしょうか?
ジョン・ペトルーシ(以下JP):もともとは『THE ASTONISHING』の再現ショウを、長いツアーを組んでできる限り世界中のあちこちで披露するつもりだったんだよ。内容が素晴らしいし、プロダクションも過去最大規模だからね。でも去年2度目の北米ツアーに出た際、この規模でツアーを継続するのは費用面で非現実的だってことに気が付いた。そこで途中で予定
を変更して、今年は『IMAGES AND WORDS』の25周年ツアーを行なうことにしたのさ。思うに『THE ASTONISHING』にまつわるショウは、最初から30公演程度に留めておくべきだったんだよね。本当は昨年中に日本にも行って、みんなにショウを観てもらいたかった。メンバーも本当にがっかりしているよ。絶対に気に入ってもらえると思っていたからね。
ーーリリース15周年のタイミング、つまり’07年にも何回か完全再現ライヴをやりましたよね。今回の25周年ツアーは比べ物にならないほど大規模ですし、意味合いが違うわけですか?
JP:そうだね。まず『IMAGES AND WORDS』がリリースされた時、僕は25歳になろうとしていた頃で、今のほぼ半分の年齢だった。当時の2倍の歳になってしまったなんて、驚きだね!(笑) そういった節目に当たるという意味で、確かに特別だ。当時まだ生まれてもいなかったような若いファンが成人する以上の年数が経ったということに、ただただ驚かされるよ。そんな彼らが今こうして完全再現ライヴを観に来てくれているなんて、本当にクールなことだと思う。
ーー『IMAGES AND WORDS』は今や、プログレッシヴ・メタルの世界的な名作の1つとして数えられる存在になっていますが、実はリリースされるまでに色々トラブルがあった、難産作でもあったんですよね? 1stアルバムで唄っていたチャーリー・ドミニシがバンドを去り、前のレーベルとのゴタゴタもあって…。当時を思い出すと、どんな精神状態でした?
JP:不思議な感じだった。僕らはそれまで週に2~3回はバンドでリハーサルしたり、曲作りをしたり、とにかくみんなで一緒に演奏するのが楽しくて仕方なかったんだ。でもある時から、ヴォーカルはいない、レーベルもない、ツアーもしていない…といった具合に状況が一変してしまった。プロとしてやって行く上で、将来に不安を感じ始めていたことは確かだな。何たって当時の僕たちは、まだみんなアルバイトで生計を立てていたんだから。僕はギター・レッスンの仕事をしていたしね。そんな状態が約1年半も続いて、思い返すと奇妙な時期だったよ。ミュージシャンを辞めようと思うことは一度もなかったけど、でもやっぱり不安で少し神経質になっていたね。
・・・続きはヤング・ギター2017年5月号でお楽しみ下さい。