fabulous act vol.10:大泉 洋 インタビュー
fabulous act vol.10:大泉 洋 インタビュー
筋ジストロフィーという重病を抱え、車いす生活を余儀なくされている鹿野靖明、札幌在住の34歳ーー。動かせるのは首と手だけという状態だったにも関わらず、自らボランティアを集めて自立生活を実現させ、“ワガママ”と言われようともやりたいことを貫いた彼の生き方を描いた映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』がこの冬、公開される。主役を演じるのは大泉 洋。「生前の鹿野さんを知る人達に話を聞きながら撮影ができた。まるでドキュメンタリーを作っているようでした」と語る大泉に、笑いと涙と感動がひとつになったこの映画についてじっくりと話を聞いた。
── 映画『こんな夜更けにバナナかよ』は、筋ジストロフィーという病いと戦いながら、自立的な人生を貫いた鹿野靖明さんの実話をもとにした作品。まず、鹿野さん役のオファーが届いたときに感じたことを教えてもらえますか?
大泉「原作と台本を読んで最初に興味を持ったのは、“ボランティアの人達がいないと生きていけないのに、どうしてそんなにワガママが言えたのかな?”ということだったんですよね。もしかすると不謹慎に聞こえるかもしれませんが、“障がいを持っていながら、ワガママに生きた”ということ自体がおもしろいし、みなさんも興味を持つところだと思うんですよ。ただ、よく考えてみると、そう思うことがすでに障がいを持っている方に対する偏見、というのかな。それって、根底に“障がい者はワガママを言わない”という考えがあるってことじゃないですか?」
── 確かに。
大泉
「そんなことを思いながら、まずは生前の鹿野さんを知っている人達に話を聞いていったんですけど、最初に言われたのが“鹿野さんは別にワガママじゃなかったよ”ということだったんです。この映画って鹿野さんがワガママだから成り立っている映画だと思うので、その言葉を聞いたときは“え、だったら何を撮ればいいの?”とは思ったんですけど(笑)。確かに“自分で動けないんだから、ワガママ言うんじゃないよ”というのは酷な話で。健常者にとって“夜更けにバナナを食べたい”というのは別にワガママじゃないし、食べたければ買いに行けばいい。それと同じことをやろうとしただけなんだよね、鹿野さんは。鹿野さんが生きていたのは20年ほど前で、今とはだいぶ社会制度が違ってたんです。当時、筋ジストロフィーを抱えている方が自宅で生活しようと思ったら、自分でお金を出してヘルパーさんに来てもらうしかなかった。当然、多額のお金をつぎ込まなくちゃいけないから、個人でそれをやるのはまずムリだったんですよね。今は介護保険制度の整備が進んでいるから、当時とはかなり状況が違っているとは思うんですけど、それでもまだまだガマンしなくちゃいけない部分は多いでしょうから。もっともっと整備が進んで、障がい者の方が“夜更けにバナナを食べたい”ということがワガママじゃなくなってくると良いですよね」
・・・続きは、発売中のfabulous act Vol.10をご覧ください!
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fabulous act Vol.10〈シンコー・ミュージック・ムック〉
B5変型判 / 192ページ / ¥ 1,650
12月28日公開の映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』で主演を務める大泉 洋さんが表紙に登場!
クールなスペシャル撮り下ろしグラビア&ロングインタビュー、さらに共演の三浦春馬さんグラビア&ロングインタビュー、
映画完成披露レポートを含む、映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』巻頭38ページ大特集をお届け致します!【CONTENTS】
大泉 洋
三浦春馬
映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』完成披露レポート井上芳雄
荒木宏文
猪塚健太(劇団プレステージ)
柿澤勇人
勝地 涼
眞島秀和
大森南朋
石井一孝×岸 祐二
吉田鋼太郎
市村正親表紙への道&Making Check!!
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