「IDOL AND READ 014」発売記念のトークショー&サイン会が、ゲストに甘夏ゆずさん(バンドじゃないもん!)を迎え、2018年4月28日ヴィレッジヴァンガード渋谷本店にて開催された。司会進行はIDOL AND READ吉田編集長が担当。

4つも5つも楽器ができて、それを全部突き詰めてアイドル界のポール・マッカートニーになりたい!

── それでは拍手でお迎えください、バンドじゃないもん! 甘夏ゆずさんです。(場内拍手)

甘夏ゆず(以下ポン):バンドじゃないもん!コットンイエロー担当のゆずポンです、よろしくお願いします!(場内大声援)


── なんか今日スゴいですね、ポンズの声援が。

ポン:ほんとにあったかい人たちばかりなので。

── 今日はこの前にも昼から別会場でリリイベがあったから、ポンズ(甘夏ゆずのファンの呼称)自体もすでにあったまってるのかも。

ポン:そうかも。さっきはサインを書くイベントだったんですよ。だからポン自身も練習バッチリで。あっ、練習じゃない、練習じゃない、どっちも本番です(笑)

── (笑)。では、サイン会の前にトークをやっていきたいんですけど、最近の話題では、サンプラを遂にやりました(4月15日中野サンプラザ/バンもん!コンサート2018 サブカル大相撲♡ドス恋!ヨイショ!)。どうでした?

ポン:今までにない、一つ規模の大きなホールでのライヴだったので、ギリギリまでチケットが捌けきらなかったみたいで。

── ずっとTwitterでソールドアウトまであと何枚とか報告してましたけど、本当にあとちょっとだったから、売り切れました!って言えばいいのにな、って思ってました(笑)。

ポン:たとえ残り数10枚かもしれないですけど──でも、悔しかったんですよ。それが、誤摩化して売り切った…じゃないけど、本当にソールドアウトのときは、ウソ偽りなくソールドアウトって言いたいから。でも、あれだけ後ろまでキッチリ埋まってくれて。

── 実際、超満員でした。

ポン:とにかく感動しました。ポン、ちょいちょいエモくなって実は何度か泣いたんですけど。

── 自分として特にエモかったシーンは?

ポン:「ヒラヒラ」っていう曲、私の中でメッチャ思い入れが強くて──もちろん全曲そうなんですけど──特に自分の気持ちを入れがちな曲で、ポンズとの思い出もあって。私ががっちり落ちサビを歌うっていうのが初めての曲なんです。ポンズが待ち望んでくれてる声は聞いてたんですけど、前後の関係で普段のライヴになかなか入れづらかったんですよ。それがサンプラでやれたのがスゴいうれしかったのと、歌詞も自分が言いたいことが重なってきて──泣きました。

── 個人的に、自分のハイライトは違う場所なんですけど、みさこさん(鈴姫みさこ)が、“自分はみんなの足を引っ張っているんじゃないかって思うことがあるけど、この景色を見て、自分に喝を入れます。バカヤロー!どれだけ幸せだと思ってんだよ!”みたいなことを言ったとき、メンバーがみさこさんの元に寄ってきて号泣──みたいな感じになってたときに、一人だけステージ前方で客席に笑顔を振りまいていた人がいたんですけど…あれはなんですか(笑)。(場内爆笑)

ポン:いや、あれは、ただただマイ・ペースなだけなんですよ、空気が読めなかった(笑)、よくある光景です。

── あれが個人的なハイライトでした(笑)。

ポン:あれはポンもいじられました、終った後に。でも、ポンもあのときはメッチャ感極まってたんですよ。で、タオルで鼻かんでて(笑)。それでみんなが集まってるのに気づかなくて、みゆちぃ(望月みゆ)が、マイクを通して“ゆず、ゆず、ゆず〜!”ってだんだん大きい声で呼んでくれて、やっとそこに気づきました。

── で5月4日にはホールツアーの大阪NHKホール公演もありますけど、ゴールデン・ウィークは何をしますか?

ポン:なんと、休みはありません!仕事だったり、ライヴだったり。それと5月2日の「スッキリ」(日本テレビ)っていう朝の番組に出演して、生演奏をさせてもらえることが決まりました!(場内大拍手&歓声)ありがと〜〜!

── それはスゴい!チャンスですね。

ポン:大チャンスです。

── ただ、放送時間が朝早いんですよね。

ポン:早いんですよ、前に、子供の頃から見てた「おはスタ」っていう番組に出させてもらったときは、朝4時半集合とか言われて。電車はないので、どうやって集まったか思い出せないんですけど(笑)。ポンは、朝がメッチャ弱くて、みゆちぃとかと部屋が一緒になったときに──だいたい動画撮られてるんですけど──滅茶苦茶なんですよ、喋ってるんですけど何も覚えてなくて。みゆちぃが“朝ご飯食べに行こう”って起こしてくれたのに、“行く!起こしてくれてありがとう、起きるんだよ”って言って寝てるんです(笑)。24時間連続配信をバンもん!全員でやったときにも、しおりん(恋汐りんご)とみゆちぃは先に起きてて、ポンが最後なんですけど、ポンが起きた時の一言がメッチャ馬の鳴き声だったって。全然自覚ないんですけど、そうとう寝起きが悪いんですよね、ポンは。

── 「スッキリ」は早起き頑張ってください!

ポン:「スッキリ」は絶対頑張ります!その日、皆Twitterで起こしてください、その日通知をオンにするので。「起きて!」ってリプを送って欲しい。

── 遅刻したら前代未聞なので(笑)、で、世間では今日(4月28日)から9連休の人もいるんですけど、バンもん!は休みはまったくないと。

ポン:5月4日は大阪が本番で、それまでは朝から晩までリハ、ゲネ、スタジオ…みたいに入り続けてるので。その後、5月6日にビバラポップ!がさいたまスーパーアリーナであります。(場内拍手)で、なんと(メインステージの)BiSHの出演時間の裏(笑)、…死んだ…(笑)。でも気合い充分で6人で挑もうと思っているので、皆で最高に楽しい日を作りましょう。遠くに佇む赤ちゃん、広場にいる赤ちゃんにもアピールしていこうと思います。ガーデンステージって側にゴハン屋さんとかのブースがある所で、休憩しに来た人とか子供連れの人とかも通るから。バンもん!は子供ウケとかメッチャいいと思う、「おかあさんといっしょ」とか「にほんごであそぼ」とか出たら超人気になる気がするんですよ。だから、子供の心をキャッチするのにシフト・チェンジして(笑)。そういう光景を作ってみたいと思います。

── で、ゴールデン・ウィークが明けた早々5月9日にリリースがあります。

ポン:あります。

── それがなんとGLAYのHISASHIさんが作った曲で。

ポン:2曲入っていて、「BORN TO BE IDOL/恋する完全犯罪」はどちらもHISASHIさんが作ってくださった曲で。

── つながりっていうのは?

ポン:一番最初、HISASHIさんが作ってくださった曲が1曲バンもん!の中にあって、「君はヒーロー」って曲なんですけど、そのときからのつながりで。今回シングルを出すってなったときに、HISASHIさんに“一曲お願いしたいんです”って言ったら、HISASHIさんがメッチャノリ気で来てくださって、その次の日くらいに“曲できたよ”って送ってくださったんです。で、またその次の次の日くらいに“もう一曲できちゃったよ”って。え、2曲……っ。HISASHIさんが熱意とご好意でバンもん!のことを考えて書いてくださって、メッチャいい曲だしHISASHIさんの気持ちがメッチャうれしいから、今回のシングルは<バンもん!×GLAY HISASHI>でやらせていただこうと。本当に好きでやってくださってるんだなってのを感じました。SNSとかもメンバー以上にチョーつぶやいてくださってて、煽りがスゴい(笑)。

── シングルはそのHISASHIさんの2曲ともう1曲ありますよね。

ポン:あります、ボーナス・トラックの「イニミニマニモ」。HISASHIさんの2曲とも違うベクトルの曲で、3曲がトライアングルみたいな感じです。

── では、今回のIDOL AND READの話に移るんですが、撮影は下北沢でやったんですけど、下北は思い出がある場所なんですよね?

ポン:そうです、ポンが下北で写真を撮りたいってお願いしたんです。下北沢にはメチャメチャ思い出があって、バンもん!の前にバンドをやってたときに、スゴい憧れのハコ/SHELTERが下北にあって、絶対出たかったんですけど、当時のバンドではようやくやっと出れて3回くらい──だったんです。高校生だったので学校終わりでそのままベースをしょってライヴハウスに行ってました。で、下北沢に初めて行ったときにメチャメチャわくわくしたんです。その頃はド・サブカルチャーの街で、私の好きなカルチャーがそこに集結してて、いまだにその憧れみたいな気持ちがあり続けています。愛を持って下北沢に遊びに行くときは<ザワ攻め>っていって、たまに静かに<ザワ攻め>をしてます。

── それでマジック・スパイスっていうスープカレー屋さんで撮影をさせてもらって、最後にカレーを食べながらインタビューをしたんですけど、ちょうどイイ話のときに泣き出したんですよ。

ポン:え、うそです、うそです。

── だけど、それはカレーが辛くて──って言ってましたよ。

ポン:絶対そうです。でもなんの話してるときに泣いてたんだろ──。そうだそうだ、ポンが気持ちを込めてすべてを話していたんですけど、その中で芯になる部分を話しているときにメチャメチャ鼻をかみ出して。それで泣いてるって勘違いさせちゃったんですけど、スパイスがマジで鼻に効いてて止められなかったんです。

── でしたね(笑)。あと前回のIDOL AND READ登場から一年半経って、二回目の掲載になるんですけど、今回は前に比べてポジティブさが上がってる印象があって。

ポン:それは自分でもわかるくらい感じます。いまだにそうなんですけど、自分のことを好きだって言ってくれるファンが集まってるとわかってても、自分に視線が集まっていることに対する緊張に耐えられなくて、アガってしまって自分が何を喋ってるのかわからなくなってしまうんです。でもそういうのもだいぶ明るい方に、いい意味で楽観的になれたなって思います。

── でもいまだにネガティヴなところがあるというか、バンもん!が好調なところについても、逆にもんスターやポンズとかにしてみれば<バンもん!が遠くに行っちゃうんじゃないか──って思ってるかも>ということを気にしたりするって話してましたけど。

ポン:私メチャメチャエゴサするんですよ、ファボも最近また──。

 

ここでゆずポンが悩み続けてるというSNSがらみの話題が語られた。

── 話を戻すと、なぜそこまで思うかというと、やっぱりもんスターやポンズのことが好きだから、だと思うんです。それはずっと変わらないですね。

ポン:そうです。そうです。そこはブレないところです。私もももクロや、アイドルや音楽に救われてきたし、元気をもらったし。だから私も、そういうことで何かしら誰かの心に気持ちや元気を届けられる人になりたい──と思ってアイドルを始めたっていうのがあるから。もちろん人間だからできることの限界値はあるかもしれないけど、その限界を決めてるわけではなくてまだまだ行けると思いつつ、でも今の私のできる範囲内で、元気に、また人に元気をわけたいなって思うから──。

── 今日も熱いですね!

ポン:今、変なこと喋ってる?だんだん頭がまっ白モードになってきたけど(笑)。

── 大丈夫です。ちなみにポンズってどういう属性があると思ってますか?

ポン:ポンズの属性ですか?やっぱり光属性?だと思います。(場内大爆笑)みんなすごい妖精ちゃんのようにピュアな心を持っていると思っているので。病んではない、たまに日陰に佇む妖精ちゃん(笑)。でも本当に優しい人たちが集まってるチーム、界隈なんですポンズは。昨日、もも(大桃子サンライズ)とゴハン食べてたとき、ももが言ってたのが、<ポンズは“一緒にやろうよ”って周りを巻き込もうとしてくれる人や陽気な人が多くて、自分の一推しの子でなくても、その子が調子が悪くなったとき最初に声をかけてくれる人たちだ>って。私は<ファンは推しに似る>っていうのを信じる派で。昔ポンが“太陽みたいな子になりたい”って言ったから太陽みたいな人が集まってるんだろうな──と思ってます。バンもん!は6人6色違う色がある女の子たちが集まってるグループだと思うので、ファンの人たちもそれぞれ特徴は違ってくるだろうなと。でも、共通して言えるのは、ステージから見てて、もんスターはライヴを全力で楽しもうとしてくれてるのがスゴいいいところだなって思います。

── 今日もそうですけど、個人活動が増えるとグループとしての活動が心配されることも多いのに、バンもん!はそんな心配はまったくないですね。

ポン:むしろプラスなイメージしかないです。

── そもそもメンバーがバンもん!を好きなんですよね。ゆずポンは、今のバンもん!のどこが好きですか?

ポン:バンドじゃないもん!は、<型に捕われずに、一番やりたいことをやってる女の子が、一番可愛い>っていうのを形にしたいって、みさこが始めたグループなんですね。それをファンの人たちも一緒に楽しんで欲しいって思っています。だから、<大人のマジメな不真面目>みたいなのを全力で楽しんで欲しいと思ってるんです。<真剣にバカをやる>みたいな。

── サブカルの感じ。

ポン:そう、そんな感じ。それを一緒にやってくれる、背中を押してくれたりもするファンの人たちがこうやっていてくれて。だから<向かうところ敵なし──なのでは>といつも自画自賛して、そう思い続けてます、今でも。

── お、ポジティヴ・ポジティヴですね(本誌では自分は本来ネガティヴだからこそポジティヴになろうとしているという意味で、自分の性格を“ネガティヴ・ポジティヴ”だと語っている)

ポン:そう、ポジティヴ・ポジティヴ。自信に満ち溢れてます。

── もっと大きな意味で、今後の目標とか野望とかを。どこまで行きたいですか?

ポン:どこまででも行きたい!(笑)

── 武道館が目標ということは全員言ってますけど。

ポン:そうですね、でも武道館じゃなくても全然いいんです、もちろん武道館に立てたら“アーティストとしての箔が──”っていろいろ言われるんですけど、あまりそこは考えてなくて。私たちを信じてついて来てくれたみんなが、“世界一楽しい!ついて来てよかった”って思ってくれるのも、初めてライヴを見た人が“今日、ライヴ見て正解だったな”って思って帰ってくれるのも、私がライヴをした後に満足する理由なので、それが沢山あってあまりに多すぎて一つに絞れないです。

── 目標や野望にキリはないという。

ポン:そう、本当に。ライヴのパフォーマンスにしても目標はメチャメチャあるし。だからちょっとずつ成長していきたいなとは思うので、一言で言うと、<日進月歩>。

── おお!では、個人の目標、野望は?

ポン:去年の「パーフェクト・イヤー(バンドじゃないもん!の5周年記念としてさまざまな試みが用意された)」の裏の自分の目標は、<これから進みたい自分の道を絞っていく>。音楽は常にやって行きたいと思うし、小さなことかもしれないけど、<全部自分で演奏してみた動画>をやりたいです。今も練習してるんですけど、あれのプロになりたい。4つも5つも楽器をできるようになって、それを全部突き詰めた人ってスゴいじゃないですか。メッチャ引きがあるなって思うから、そうなりたいなって──リリー・フランキーさんが言ってくださった、え〜と、そう、ポール・マッカートニー!アイドル界のポール・マッカートニーになりたい!

── 期待しています!では、時間もそろそろなのでサイン会のほうに──。

ポン:あ、あと一個だけいいですか、さっきリリース・イベントをやって来たんですけど、その合間に何も考えずに、ニンニクがメッチャ入ってるラーメンを食べちゃって、口に入れた瞬間に気づいて──あ、私は今ニンニクを食べたって。なので、先に詫びておきます(笑)。

── ありがとうございました。

ポン:ありがとうございました。

この後、ポンズをバックに写真撮影、引き続きサイン会が行われた。

 

    

IDOL AND READ 014 のご案内

  • IDOL AND READ 014
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  • IDOL AND READ 014

    A5判 / 240ページ / ¥ 1,320

    アイドルや女性アーティストの生い立ちや本音に迫ったノンフィクションパーソナルロングインタビュー集『IDOL AND READ』14号は、今や時代の寵児なっている歌姫、“楽器を持たないパンクバンド"BiSHのアイナ・ジ・エンドが表紙巻頭を飾る。
    どんどんモンスター化していくBiSHの歌とダンスの要であり、TeddyLoidやMONDO GROSSOといった先鋭クリエーターとのコラボでもその存在感を示しているアイナにとって、今のBiSHとは? 歌とは? そして清掃員(BiSHファン)とは? 2.2万字インタビューで、今の本心をとことん語ってくれた。
    また、裏表紙で登場した前回(006号)は“毛ブラ"ヌードで衝撃を走らせたが、今回のグラビアはバスタブ、ベッド、100本のロウソクなどを使い、“大人"のアイナ・ジ・エンドの魅力を引き出したものになっている。

    裏表紙は同じ事務所WACKのユメノユア(GANG PARDE)が飾り、さらに、4人になったLADYBABYの金子理江、昨年9月にNMB48を卒業した百花といった尖った女性アーティストも登場。異端児から正統派まで、今をときめくアイドルと女の子が全12人、全員がパーソナルロングインタビューと完全撮り下ろし写真で掲載されている。

    【CONTENTS】
    アイナ・ジ・エンド BiSH

    ユメノユア GANG PARADE

    金子理江 LADYBABY

    甘夏ゆず バンドじゃないもん!

    石塚朱莉 NMB48

    髙松 瞳 =LOVE

    ようなぴ ゆるめるモ!

    ゴ・ジーラ BiS

    栗栖りん 26時のマスカレイド

    小此木流花 アキシブproject

    間宮まに ヤなことそっとミュート

    百花

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