「IDOL AND READ 014」発売記念のトークショー&サイン会が、ゲストにようなぴさん(ゆるめるモ!)を迎え、2018年4月27日HMV&BOOKS SHIBUYAにて開催された。司会進行はIDOL AND READ吉田編集長が担当。

将来の夢は<ようなぴランド>を作ること ライヴや自分の楽しめる異空間みたいなものを

── それでは拍手でお迎えください、ゆるめるモ! ようなぴさんです。(場内拍手)

ようなぴ:本日はお越しいただきありがとうございます。ゆるめるモ! ようなぴです、よろしくお願いします。

── まずはホットな話題から、4月21日22日と上海でゆるめるモ!のワンマン・ライヴが行われましたが、どんなライヴになりました?

ようなぴ:上海ジョイポリスの中でやらせてもらって、メッチャ盛り上がりました。日本のジョイポリスとも一緒なんですけど、ライヴハウスというよりフロアにステージがあって。

── で、ライヴの前にジョイポリスのゲーム体験会をやって、ライヴがあって、その後オフ会としての食事会「食べるモ!」をやって。

ようなぴ:みんなでお食事しました。海外に行くときはわりとやってます。今回は急な発表だったので、“ゆるめるモ!のことが大好き”っていう濃いファンの方がほとんどでした。

── じゃぁよけいに熱いライヴになって。

ようなぴ:そうですね、「なつ おん ぶるー」って曲は、昔はお客さんと一緒にぐるぐる廻ってたけど、日本でのライヴではできなくなってきたので、存分に上海で廻ってきました。


── 今回はオフはあったんですか?

ようなぴ:田子坊っていうちっちゃい雑貨屋さんがズラ〜っと並んでる入り組んだ所には行きました。買い物はしなかったんですけど雰囲気を楽しんで、でも最近は路面の夜市みたいな雰囲気はなかったです。

── ゆるめるモ!ってアイドルの中では先駆け的にアジアに何回も行ってますよね。もしかしたら日本以外のアジアで一番ライヴをやってるアイドルグループかもしれない。

ようなぴ:どうなんですかねぇ…。

── なんでそんなにアジアに行くんですか?

ようなぴ:もちろん今まで行かせてもらったアジアの国々は大好きなんですけど、別にアジアに拘ってるわけではなくて、たまたまお話をいただけたりするのがアジアが多くて。

── これは、ある方から聞いた話なんですけど、韓国では自殺者が多いので、ゆるめるモ!の「逃げない!!」とかの歌詞が無茶苦茶ココロに刺さるらしくて。

ようなぴ:そうみたいですね。韓国は去年初めて行ったんですけど、その前からSNSとかで韓国のファンの方からメッセージが届くようになってたので、念願の〜という感じで行ったんです。みんなゆるめるモ!の歌詞を全曲日本語で覚えてて、ライヴ中にめっちゃ被せて歌ってくるんですよ。それにもうびっくりしちゃって、本当にうれしかったです。

── 韓国以外からも呼ばれてるってことは、アジア各国に熱狂的なファンがいるってことですよね。歌詞以外に何がウケてるんだとご自分では思います?

ようなぴ:韓国は自主公演で行ったんですけど、“ゆるめるモ!の音楽が好きだ”ってファンの方は言ってくれてます。最初は橋本環奈ちゃんがもの凄く流行ってたみたいで、あのちゃんとの<天使と悪魔の最終決戦>っていう対比の写真がきっかけでパッと広がったらしいんです。

── なるほど、2年くらい前にツイッターで話題になった、橋本環奈さんとあのちゃんの写真を並べたやつですね。で、ゆるめるモ!側もアジアでライヴをやる場合はセットリストとか変わるんですか?

ようなぴ:向こうの方はCDを買える環境がamazonさんくらいしかなくて、YouTubeとかで動画を見てくれてる方が多いので、そこにMVとかを上げてる曲を優先的に選んだりしてます。でも今回はベスト・アルバム(『音楽よ回れ!! MUSIC GO ROUND 〜ゆるベスト!〜』2枚組)を5月9日にリリースするので、『炎のべスト』『命のベスト』の2枚に合わせて──上海も2日公演なので、その2つのコンセプトでそれぞれの日をやってみました。

── セットリスト以外に、気持ち的にも何か違いってあります?

ようなぴ:しょっちゅうライヴを見てもらえるわけではないので、これは日本でやっててもそうなんですけど、一度きりのライヴだなって思ってやってます。あと、強いて言うとMCで言葉が伝わらないところが一番緊張する所です。スゴい簡単な言葉だけは覚えていくようにしてるんですけど、発音が上手くいかないのか、全然伝わってないなーみたいな(笑)。最近は日本語で喋って通訳さんに訳してもらってます。でも、ゆるめるモ!を好きな人って日本の文化が好きな人が多いので、日本語をわかってる人も多いんですよね。現地の人同士で伝え合ってるみたいで。


── 今回のIDOL AND READ 014のインタビューにもあったんですけど、ようなぴさんは<海外に行った方がいい>って先生に言われたとか。

ようなぴ:それは自分の人生上の話ですね。中学、小学校の先生や塾の先生とかに、よく<お前は海外とかに行った方が合うと思うよ>って言われてて。

── なんだか、それよくわかるんですけど。

ようなぴ:そうですか?今は日本の社会にどっぷり染まってますけど(笑)、でも染まりきれてないのか──だから結局染まり過ぎて病んでる──みたいな。苦しいですよ、社会に揉まれ生きることが。

── もし仮にアメリカ・ツアーとかヨーロッパ・ツアーとか、世界を巡るツアーが組まれたとしたらやりたいことってありますか?

ようなぴ:…なんだろう、折角だからその地域でしか出会えない人や場所と一緒に何かを作るとか。対バンする相手とかもいろいろ組めたら面白そうだなって思います。ゆるめるモ!は結成当初から世界でのライヴっていうのを目標にして活動しているグループなので。

── ライヴで一番行きたい所ってあります?

ようなぴ:一番はないですね、どこも興味あります。エジプトは旅行しに行きたいです。

── 今回のIDOL AND READ 014はようなぴさんは2回目の登場で、1回目は2015年3月発売の号。そこでは生い立ちを語ってもらっています。それから3年経って、当時とはメンバーの数も違って、6人が4人になって、今はアコースティックユニットのYMQとかもやったり、この3年間でゆるめるモ!本体はソリッドになったけど、ようなぴさんの活動はどんどん広がってるように思えるんですけど。

ようなぴ:そうですか?3年前とかは逆にイラスト展とかも活発にやってた感じですけど。

── ゆるめるモ!とYMQの活動で、自分の中で区分けってあります?

ようなぴ:ゆるめるモ!ありき、でいつも考えてます。ゆるめるモ!でやることは、必ずしも自分がやりたいこととは違う──というか、私は最初に入ったときからそうなんですけど、プロデューサーの田家さんが作りたいと思う音楽や、伝えたいって思うこととかに自分たちが加わって一緒にやるっていうスタイルでやってます。これは一人だけでやってたら生まれないものが経験できるし、そこに価値を見い出して、楽しいって思わせてもらえてるからやってるので。YMQも同じと言えば同じなんですけど、マモルさん、ハシダカズマさん共に凄い独特な音楽を作ってらして、ゆるめるモ!では出会えない音楽なんです。今もスゴい豪華な方と対バンをやらせてもらっていて、それが自分にとって刺激的な経験になっています。それがゆるめるモ!の方にも影響して、何か伝えられることができれば──と。

── ちなみにYMQのQって何の略なんですか? 改名する前のYMOは、ようなぴ ミニマム 音楽団の略でしたよね?

ようなぴ:それでYMOにしようと思ったんですけど、相手がデカ過ぎる方々だし、ネットの検索でも他のYMOは一切引っかからないので(笑)。イメージはそのままで少し崩したやつにしよう──ってなって、ようなぴのY、マモルさんのM、で、カズマさんをキャズマって読んでQに。無理矢理そう言う意味付けを(笑)。最初決めるときには外国の空港の略称ぐらいしかYMQには被るのがなかったんですけど、最近同名のヒワイなアカウントが登場し出して(笑)。こっちが更新しないと、検索がそっちばかりになっちゃうので、みなさんもYMQでツイートとかしてくれると検索順が上がるので、よろしくお願いします。

── IDOL AND READのインタビューで、“自分は一つのことに絞り過ぎちゃうと、逆に一つのことができない”って言ってたのは、そういうことですかね。

ようなぴ:そうなんですよ。

── だからYMQとかソロをやることによって、逆にゆるめるモ!の有り難みがわかるっていうか。

ようなぴ:一つのことだけやってると、視野が狭くなって不安を感じちゃうんですよね。一つのことに集中するのが得意な人ももちろんいると思うんですけど、私はそうならなくて逆に辛くなって“辞めてやる!”ってなっちゃう。でも今は、ゆるめるモ!に集中してやってる感じです。

── でも、やることもいろいろあって大変じゃないですか?

ようなぴ:スケジュールが忙しいのは耐えられるんです、いろいろあった方が安心します。


今回のIDOL AND READの撮影はサンリオ・ピューロランドで行われ、取材に参加したカメラマンやライターの方々の、ようなぴを巡るそれぞれの奇縁が判明したことなどが語られた。

── サンリオっていえば、就職したいと思ってたんですよね?

ようなぴ:思ってました。

── 実際に受けたんでしたっけ?

ようなぴ:やる気あんのか?っていう位のレベルで受けました。

── サンリオで何をしたかったんです?

ようなぴ:元々キャラクター産業に興味があって、キャラクターを作りたかったんです。

── IDOL AND READで9月29日のサンリオ・ピューロランド公演を発表されたんですけど、こんなことがしたい──とか考えてることってあります?

ようなぴ:考えていることは常にいっぱいあるんですけど、今はそれを少しでも形にできるように大人を説得してるところです。ゆるめるモ!のツアーが終るくらいには何かしら言えるようにしたいな──って感じですね。

── 昨日(4月26日)に新曲のMV「おこらないで」が公開されましたけど、これはどんな思いで?

ようなぴ:怒らないでいることって凄い難しいことだと思うんです。自分自身、人に優しくできなかったりすることが多いので、優しい人間になりたい──って思うから、自分に言い聞かせるように。でも、怒るときってそのことや人に対して本気だからこそ怒るっていうのがあるじゃないですか。だから何のために今自分が怒っているのかを、冷静に考えるために一息いれる曲になってくれたらいいなって思います。

── ようなぴさんって、いつもニコニコしてて怒らなそうな印象なんですけど。

ようなぴ:笑ってるのはたしかなんですけど──、う〜ん、あんまり怒りはしないんですけど自分が疑問に思ったことはすぐに言っちゃうので。それは今の時代にはそぐわないし、女の子には耐えてもらえないんで女社会では生き辛いです。小学校、中学校とかは男の子の友だちばっかりでしたね。

── でも、怒ります?

ようなぴ:最近は怒らないかな。座った目で淡々と言っちゃうタイプだから。

── よけい怖いじゃないですか(笑)。でも、そんなようなぴさんの怒ったエピソードがあればちょっとだけ教えて欲しいんですけど。

ようなぴ:忘れちゃうんですよね、怒ったことやイヤなこと言われたことって。

── 引きずらない?
ようなぴ:あんまり引きずらないかも。すぐ寝て忘れるタイプです。
── あんまり病まないタイプですね。

ようなぴ:じゃあなんで病むんだろ──。自分では病んでるって思ってないんですけど、病んでるって言われるとムカつきますね。反論したくなります。

── すべての人類はみなメンヘラだ!って(笑)。
ようなぴ:日本にいたらそうなりません?

── ……(笑)、逆に<怒らないで>って思ったことはあります?

ようなぴ:社会的な大人の立場の人が怒ってると<怒らないで>って思います。プライベートで怒ってるのはいいけど、仕事とかで怒ってると、怒るよりいい対策があるんじゃない?って。

── それでは告知関係で言うと、シングル「HIPPY MONDAYS EP」が5月9日に発売されて、DOTAMAさんとコラボした「フリースタイル全部」と、「やすもう」、「おこらないで」っていう全3曲で。

ようなぴ:タイトルそのままって感じ。ま、休もうって言われても実際休めないじゃないですか、最初曲を聞いたとき、“休めるんだったら休みくれ!”って思ったんですけど(笑)。ま、休めない日本のこの社会に生きているからこそ、自分の中の休み方を見つけるってことは大切なことだと思うんです。

── 社会派ソングですね。
ようなぴ:そうですね。ゆるめるモ!は基本そうですよ。日本の社会と戦ってるって感じ。

── で、ベスト・アルバム『ゆるベスト!』。

ようなぴ:4人の曲はそのままなんですけど、それ以前に出してた曲は全部再録して、一日5曲歌って頑張ったので、今までの曲を聞いてた人にも改めて聞き直して欲しいなって思います。それとベスト・アルバムに入ってる曲以外も改めて聞いてみよう…って思って欲しい。漏れた曲もいっぱいいい曲があるんで。

── それを言ったら全曲集になってしまう…。

ようなぴ:全曲集出したい!ほんと。

── 作ってる側からしたら、ベストじゃない曲はない、どれもベストで。

ようなぴ:はい、そうです。全部聞いてください。

── で、それらを引っ提げてのツアーが。

ようなぴ:5月12日の東京キネマ倶楽部から始まります。

── 未成年のヤン限と、成人のアダ限の二部制ですね。

ようなぴ:それぞれセットリストはもちろん変わります。気持ち的にも変えます。

── では最後に、今年やりたいことってあります?

ようなぴ:目標……あるんですけど……う〜ん。

── 具体的すぎてまだ発表できないと(笑)。じゃ、もっと先の将来の夢はどうですか?

ようなぴ:将来の夢は<ようなぴランド>を作ることです(笑)。自分の楽しめる異空間みたいなものを。ライヴでもいいし、そういう場所を作れるようになりたいな──と思ってます。あと、インタビューでも話しましたけど、ゆるめるモ!を辞めるつもりは全然なくて、続けられる限りは続けたいって思ってるし。その形とか理想は見えてないですけど、そういうグループであれたらいなって。今のアイドルっていう概念の中だけで終わるグループじゃなく、成長していけたら──と思ってます。

── アイドルを超えたアイドル。

ようなぴ:アイドル性って何をやってても大切なことだと思うので。それと、これまで個人的なことは止まっていることが多かったので、今年はそれを打破できる年にしたいなと思ってます。

── じゃぁ、そんな感じで時間も経ったので、トークショーの方は終了したいと思います。

ようなぴ:ありがとうございました、本当に。(場内大拍手)

この後、サイン会が行われた。

IDOL AND READ 014 のご案内

  • IDOL AND READ 014
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  • IDOL AND READ 014

    A5判 / 240ページ / ¥ 1,320

    アイドルや女性アーティストの生い立ちや本音に迫ったノンフィクションパーソナルロングインタビュー集『IDOL AND READ』14号は、今や時代の寵児なっている歌姫、“楽器を持たないパンクバンド"BiSHのアイナ・ジ・エンドが表紙巻頭を飾る。
    どんどんモンスター化していくBiSHの歌とダンスの要であり、TeddyLoidやMONDO GROSSOといった先鋭クリエーターとのコラボでもその存在感を示しているアイナにとって、今のBiSHとは? 歌とは? そして清掃員(BiSHファン)とは? 2.2万字インタビューで、今の本心をとことん語ってくれた。
    また、裏表紙で登場した前回(006号)は“毛ブラ"ヌードで衝撃を走らせたが、今回のグラビアはバスタブ、ベッド、100本のロウソクなどを使い、“大人"のアイナ・ジ・エンドの魅力を引き出したものになっている。

    裏表紙は同じ事務所WACKのユメノユア(GANG PARDE)が飾り、さらに、4人になったLADYBABYの金子理江、昨年9月にNMB48を卒業した百花といった尖った女性アーティストも登場。異端児から正統派まで、今をときめくアイドルと女の子が全12人、全員がパーソナルロングインタビューと完全撮り下ろし写真で掲載されている。

    【CONTENTS】
    アイナ・ジ・エンド BiSH

    ユメノユア GANG PARADE

    金子理江 LADYBABY

    甘夏ゆず バンドじゃないもん!

    石塚朱莉 NMB48

    髙松 瞳 =LOVE

    ようなぴ ゆるめるモ!

    ゴ・ジーラ BiS

    栗栖りん 26時のマスカレイド

    小此木流花 アキシブproject

    間宮まに ヤなことそっとミュート

    百花

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