2018年1月9日(火)「IDOL AND READ 013」の発売記念トーク・イベントが、けちょん(ゆるめるモ!)さんを迎えHMV & BOOKS SHIBUYAで開催された。当日の司会進行は音楽評論家の宗像明将さんが担当。

デカいライヴをする毎に、さらに壁が出てきても破れるっていう自信ができました。

 
──音楽評論家の宗像明将です、「IDOL AND READ 013」の発売イベントにお集まりいただきありがとうございます。では、早速今日の主役をお呼びしましょう、ゆるめるモ!のけちょんさんです。

けちょん:こんばんは、ゆるめるモ!のけちょんです。今日は来ていただきありがとうございます。

──けちょんさん、今緊張してます?

けちょん:緊張してます、(場内が)明るくて。照らされてるなって。もっと暗い方がいいですね。

──視線を感じますか?

けちょん:目がいっぱい(笑)。

──けちょんさん、夕べの「プレミアMelodiX!」(1/8深夜 テレビ東京O.A.ゆるめるモ!が出演)はどうでした?自分で見て。

けちょん:えっ!テレビだ!テレビに出てるって思って。テレビの音楽番組でゆるめるモ!が歌うことが初めてなので、やっとやることができた。

──インディーズでプレミアMelodiX!に出て、しかも乃木坂46の次だったじゃないですか。あれ、すごいいい感じで出てますよ、あそこで、ゆるめるモ!が“見つかった感”があって、ブレイクスルーしちゃうんじゃないかなって。

けちょん:ホントですか?そんな感じします?

──ご自身は感じないですか?

けちょん:まだ感じておりません。

──アイドルがやるように、エゴサとかしてないんですか?

けちょん:エゴサはたまにします。ファボとかもするんですけど、Twitterのエゴサーチの検索ってあんまり引っかからないこと多くないですか?

──あとで、“ ”で囲む方法教えます。言葉を指定するやつ。

けちょん:何ですかそれ、ネットは難しいですね。

──じゃ、自分では夕べの番組の反応をそんなに感じてはいないんだ、収録のときはどうでした?

けちょん:すごいデッカいスタジオで、真っ黒でキラキラしてて、テレビカメラがいっぱいあって、なんかすごかったです。

──喋るために番組に出るときと歌うために出るときって感覚は違います?

けちょん:話すために出て喋るのは激しく緊張するんですけど、歌唱はライヴなので、自分の武器そのままだから緊張しなかったです。

──それはスゴいですね。

けちょん:その空間を普通に楽しめました。

──この間(1月6日)のZepp Tokyoのときとかは緊張しました?

けちょん:しました。いつものライヴハウスとは違ってデカいし、自分から見てる景色とかも違うし今回は後ろにVJが入った映像があったし。だから緊張といっても楽しみの緊張というか、今までとは違うゆるめるモ!の姿を見せることができる日というか。

──Zepp Tokyoはバンドなしでやったじゃないですか、ありとなしでは感覚は違いますか?4人だけでやるっていうプレッシャーとか。

けちょん:あ〜〜どうなんだろう…。バンドさんと一緒にやる方がプレッシャー強いかな。みなさん上手い方たちばかりなので、私たちが負けてはいけないっていうプレッシャー。一緒に作り上げたいのに、自分たちが追いついてなかったら──とか緊張して。

──Zepp Tokyoでやった中で思い出深い曲ってあります?

けちょん:個人的にあるんですけど、それはちょっと心に秘めときたい。悔しくて曲中にちょっと泣きそうになりました。“なんでここで私は…”というのがあって、それはみんなの記憶からは消えていて欲しいなという…。でも全体としてはスゴいいいライヴができたと思ってるんですが、どうでしたかね、来てくれた方。(場内拍手)

──Zepp Tokyoをやることに対しては緊張しなかったですか?
けちょん:それは緊張しましたよ。(以前に立った)Zepp ダイバーシティも大きいと思ってましたけど、さらに大きいじゃないですか。それに学生の頃から知ってる所だし、初めてデカいハコに行ったのがZepp Tokyoだったので。ここに自分が立てるんだと思って。

──ちなみにZepp Tokyoへは何を見に行ったんですか?

けちょん:秘密です。

──今日は秘密が多い(笑)。ライヴを終えてみて感想はいかがですか?

けちょん:あ〜〜楽しかった〜って思って。ライヴが終わって、また進める気がしました。ゆるめるモ!を続けていける自信に繋がったというか、デカいライヴをする毎にさらに超えていかなければいけない物、壁が出てきても破れるっていう自信ができました。

──前からそういう自信はある方だったんですか?

けちょん:ないですね。

──自信がつき始めたのはいつ頃から?

けちょん:自信と実感みたいな感じなんですけど、『ディスコサイケデリカ』からかもしれない。割と最近です。元から自分にも自信がない人なので、いろいろ心配性なのか不安なのか…。

──どんなことが心配になるんですか?

けちょん:え、生きてくこと。

──ここにいる人たちがなんとかしてくれると思いますよ。

けちょん:みんなパパとママになってくれるのかな。

──旦那じゃなくてパパとママ。父親とか母親ってけっこう荷が重いですね。この「IDOL AND READ 013」ではけちょんがお母さんに再会というか、生まれた頃はほぼ記憶がないから初めてお母さんと会うという話で(お母さんはけちょんさんが小さい頃に家を出ていった)。去年のお正月はお母さんがいらしてたんですよね。今年はとくに…。

けちょん:いらしてないですね。

──最近の動向は把握されてます?

けちょん:把握してないです。何してるのかな〜気が向いたら連絡がくるかな…と思って。

──電話は?

けちょん:電話はこちらからはしてないです。

──ある程度の年齢になってから、お母さんに生まれて初めて会うっていうのは、なかなかそんなにないじゃないですか。

けちょん:そうですね。でも、言われないと…。

──そうなのか、けちょんにとってそれは普通のことだから。

けちょん:そうですね

──で、お父さんはZepp Tokyoの日は町内会の用事で来れなかった。

けちょん:そうなんです、私もすごい謎なんですよ。

──ようなぴちゃんが、“やっぱり人と人のつながりを大事にするお父さんって素晴らしいよね”ってMCでフォローしてくれたけど、娘のZepp Tokyoも見て欲しいよね。

けちょん:本当に見て欲しかったですよ!

──お父さん、町内会からZepp Tokyoに来てくれれば…。

けちょん:そんな体力ないです、たぶんベロベロですよ。お酒の方が楽しみだったのかもしれない。

──凱旋公演はお父さんいらしてたんですよね(12月10日にけちょんさんの地元・栃木でライブを行なった)。そこで見て満足しちゃったんですかね。

けちょん:多分、そうかも…しれないですね…。

──でもZepp Tokyo、全然大きさが違うんで。

けちょん:そうなんですよ!ほんと来て欲しかった。

──ツアーの中でも映像が入ったのはZepp Tokyoだけで。

けちょん:そう、そうなんです。なぜ来ない!?と思った。

──お父さんは照れ屋なんですかね。

けちょん:照れ屋ですね。お父さんはそっくりです私と。お父さんにすごく似てます、緊張すると顔が真っ赤になるし、滑舌も一緒だねって言われて気づいたし、なんかいろいろ似てます。

──一番似てるところは?

けちょん:え、どこだろ──、鼻。鼻と口がめっちゃお父さんなんですよ。

──ライヴに来てくれなかったのは寂しかった。

けちょん:寂しかったですね、でも、忘れてました、お父さん来てなかったこと。次、一緒にZepp TokyoのDVD鑑賞とかしたいですね。

──ちなみに以前ゆるめるモ!のライヴ見たときお父さん何て言ってました?

けちょん:あ、お父さん何か言ってたかな──“おお〜スゴいね〜〜”みたいな感じだったり──なんか多分緊張して言葉が出なかったんだと思います。メンバーに初めて会わせたんですよ。だから私と思考が一緒であればきっと人がいっぱいいたら喋れないんで。

──でも今日はこんなに大勢の人の前で喋ってるし。普段特典会とかで、けちょん推しのみなさんとはどんな話をするんですか?

けちょん:え〜〜なんだろ、何を喋ってるんだろ、お腹空いた〜とか。

──雑談ですね。

けちょん:雑談だよね…、あの、何喋ってますか、私?(場内に)え〜と、お腹減ったね〜、ご飯食べてる?〜、ちゃんと寝た?〜、仕事帰り?とか。

──もう、衣食住みたいな話ですね。

けちょん:確かに、みんなは聞いて欲しいことってある?(場内に)

──けちょんさんに何か質問があるって方いらっしゃいますか?(場内に)

けちょん:(ないみたい…)

──(小さい声で)手が挙がらない…、大丈夫、一人くらい意を決して挙げる人が…あ、来た!

質問1:昨日の晩ご飯は何ですか?

けちょん:昨日は豚骨しょうゆ鍋のスープに辛ラーメンを入れて食べました。

──こちらでよろしいでしょうか(場内に)、衣食住とか特に関係ない質問は?

質問2:2018年チャレンジしたいことは?

けちょん:2017年にもチャレンジしたいこと…って新年会イベントで書き初めしたんですよ。<大きい絵を描く>って書いたんです。それまではA5サイズくらいしか描いたことがなかったので、A3くらいの絵を成功させました。

──ここの壁くらいの大きさで描くのかと思ってました。

けちょん:そこには達してなかったので、今年はさらに大きな絵を描きたいです。ライヴペイントとかもやってみたい、自分を鍛えたいですね。ラフォーレ原宿の前で透明な箱に入った人が内側から絵を描いてるのを見たんですけど、そういうのもできたらいいなと思ってます。

──いろいろとやることがあるじゃないですか。

けちょん:あ、でも一つがいいな、でも、できたら今言ったふたつは…。

──A2サイズくらいの大きな絵を描くのと、透明な箱の内側からライヴペイントすること。

けちょん:じゃ、その二個やります。チャレンジ。

──そんな簡単に決めていいんですか?

けちょん:じゃ、ヤメます。

──え?ヤメるの早いな。

けちょん:難しいですね、何かを決めるということは。

──ま、2018年は9日しか経ってないんで。

けちょん:昨日は成人式、おめでと〜。あ、いないか?(場内の女性が手を挙げる)あ、おめでと〜〜(場内拍手)。いい二十代を送ってください。

──人生の先輩としてけちょんから何か一言メッセージを。

けちょん:二十歳超えたらね、時間が速いから。あと、お肌のケアは今からしといた方がいいです。

──結構現実的だなぁ。けちょんは成人式行きました?

けちょん:行きました。髪の毛を今の2〜3倍、おへそくらいまで伸ばして、成人式だから姫カットでポニーテールの二次元感が欲しくて。

──そうやって二次元感って言ってるとアキバの路上で田家さん(プロデューサー)に声かけられるわけですよ。

けちょん:そうですね。

──けちょんは今こういう仕事をしてるなかで、ハッと我に返ったりすることってありますか?

けちょん:ハッ!

──今、ハッとしましたね。

けちょん:ハッと我に返ることは──、でもたまに考えることはありますね。

──それ、どんなときに?

けちょん:何だろう…自己嫌悪に陥ったときかな。

──なんでそういうモードに入るんですか?

けちょん:自分に、“なんで?”っていうときがある。

──そういうのはメンバーに話したりします?

けちょん:話したり話さなかったり。

──田家さんとか、マネージャーさんには?

けちょん:話したり話さなかったり。

──じゃあ完全に自分ひとりで抱えてるときもある?

けちょん:ありますね、自分の中でゴールが見えてきたときに、メンバーとかと“あのときこうだったんだよね”って話すと、“あ、私もそのときそうだった”って。

──ファンの方にも分かったりするのかな?

けちょん:どうなんだろ、でも特にそれについて話してきたりはしないから。優しいんです、みんな。

──ファンのみんなが優しいって思えるのはどんなときですか?

けちょん:甘やかしてくれるんです、いつも。いいよ、いいよって。なんでですかね?

──けちょんのこういう空気に、いいよ、いいよって言いたくなっちゃうんじゃないですか。

けちょん:でもキレてもいいじゃないですか、“おまえ、ずっとフワフワしてやがって”みたいに。

──でも現場に来てキレてるのヤですよ。

けちょん:でも、誰かいつかケンカ吹っかけてこないかな…って思ってる。

──ファンの方とケンカになることってないんですか?

けちょん:ないですね。

──5年やってきてそういうのが一度もないっていうのはスゴくいいことじゃないですか。

けちょん:え?普通そうじゃないんですか?


──平和なんだと思いますよ。

けちょん:このユートピア・ツアーが始まる前に、ライヴについてのお願いをしたんです。みんなが平等に楽しんで欲しいので、リフトとかはあまり前の方でやらないで──。

──後ろの方でやって欲しい。
けちょん:など、ケガをしないように──とツイートさせていただいたんですけど。みんな“わかったー!”って受け入れてくれて、みんないい人だなと思って。

──最近の現場としてリフトを禁止する所が多いのに、後ろの方で──っていうのは柔軟性ありますよ。

けちょん:禁止とかがイヤなんですよね。基本、ライヴは自由に思い思いに楽しんで欲しいので。

──こうやって喋ってるとけちょんさんのテンポと同じようにこちらもゆっくり喋るようになっちゃうんですけど、2018年、け
ちょんとして、ゆるめるモ!としてやってみたいことってありますか?

けちょん:去年アジア・ツアーやって──、あ、エジプトでライヴしてみたい!

──エジプトでライヴ…、あ、でも必然性あるな。Zepp Tokyoでの客入れのS.E.を田家さんが選んだと思うんですけど、エジプトのミュージシャンの曲が流れて、ナイル川を北上してる気分になったんですよ。

けちょん:ナイル川ってエジプトかぁ。あの、ピラミッドの前とかでライヴできないんですか?

──あそこ結構観光地で、Google Mapで見るとピラミッドの真向かいにマクドナルドがあって(註:実際はケンタッキー)。

けちょん:え!ウソウソウソウソ。ピラミッドの真向かいにマックですか?今、スゴいショックを……。

──ごめんね、結構汚れてるの、あそこ。

けちょん:…………え!みんなショックじゃないの?知ってました?知ってたの!……(落ち込むけちょん、場内爆笑)

──知らない人もいる、知らない人もいる、けちょんだけじゃないよ。

けちょん:今、ホントにスゴいショックなんですけど。今年一番ショック!

──まぁ、9日しかない間だけど(笑)。

けちょん:(笑)スゴい衝撃的過ぎちゃった。でも、なんかライヴで遺跡とか巡りたい。

──カンボジアのアンコール・ワットとか、インドネシアのボロブドゥールとか、「世界 遺跡」でググってください。そんなけちょんさんから、今日は何か告知はあります?

けちょん:ゆるめるモ!は5月にニュー・シングルとベスト・アルバムを発売することが決定しまして、(場内大拍手)、5月からツアーが始まります、6ヶ所です。まだ5周年イヤーは続いてますから、2018年楽しいと思ったことはどんどん一緒にしていきましょう。

──では、今日来てくださった皆さんにけちょんさんからメッセージを一言。

けちょん:よいお年を。

──(笑)まだ356日くらい残ってますが。

けちょん:今、平成30年ってことに衝撃がデカくて。えぇ〜って思いません?
けちょんの心の中は平成25年でずっと止まってて。

──なんで5年止まってるんですか?

けちょん:わかんないんですよ。なんか時が進まなくて──ゆるめるモ!が楽しいんですね、きっと。今日は平日なのに来ていただいてありがとうございます。今日実は不安で不安で、10人くらいしかいないんじゃないかなと思いながら来たんですけど、こんなにたくさん来てくださってとても嬉しいです。今日はグダグダ喋ってしまいましたが、この本(IDOL AND READ 013)ではけちょんの思っていることをたくさんお話しさせていただいたので、是非読んでください。

──是非読んでください、今日はありがとうございました。

けちょん:ありがとうございました。

この後、サイン会が行われた。

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  • IDOL AND READ 013

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    また、裏表紙は、その欅坂46の妹グループとも言える、ひらがなけやきことけやき坂46の柿崎芽実。
    当時坂道グループ最年少で入り、漢字欅選任となった長濱ねると長らくダブルセンターを務めてきた彼女の生い立ちと、ひらがなけやきにかける熱い想いを、同じく2万字インタビューで聞いた。

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    【CONTENTS】
    土生瑞穂 欅坂46

    柿崎芽実 けやき坂46

    吉田朱里 NMB48

    望月みゆ バンドじゃないもん!

    石野理子 アイドルネッサンス

    瀬田さくら ばってん少女隊

    マホ 純情のアフィリア

    ペリ・ウブ BiS

    けちょん ゆるめるモ!

    病夢やみい CY8ER

    なでしこ ヤなことそっとミュート

    瀬斗光黄 風男塾

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