読むアイドルマガジン『IDOL AND READ』第9弾の発売を記念したトーク&特典会が
根本 凪さん(虹のコンキスタドール)をゲストに迎え、1月15日(日)ヴィレッジヴァンガード下北沢店にて開催された。司会は阿刀“DA”大志氏が担当。

小学校の頃とか全然記憶にないんです

阿刀:こういった1人でのトーク・イベントはどうですか?
根本:ライヴとかは歌とか踊りに乗せて思いを届けるんですけど、音楽がなくて言葉だけだと、私、普段でも何を言ってるのかわからない人なので…すごい緊張してます。
阿刀:こんな状況を引きこもり時代の自分が見たらどう思いますかね。
根本:びっくりしますね。こんな大勢の前で囲まれて話すなんて絶対思ってなかったので…感慨深いですね。
阿刀:今回の「IDOL AND READ 009」はどうでした?
根本: IDOL AND READに載れることがすごい嬉しくて、私、夢眠ねむさんの表紙のIDOL AND READ(002)を買って読んでたんです。そこでねむさんの人生とかをすごく掘り下げて書いてあって、「こういう本に私も載りたい」って思ってました。それが載れて、本として手にしたときはすごい嬉しくて、写真とかも素敵に撮っていただいて嬉しかったです。
阿刀:写真いいですよね。
img_1200根本:盛れてますよね(笑)。原宿のキャット・ストリートで撮ったんですけど、この水色の壁で写真を撮るのにすごく憧れてて。“都会の女”って感じがするじゃないですか(笑)。
阿刀:インタビューでも散々しゃべりましたよね、どうでした自分の人生を振り返るというのは。
根本:めちゃ恥ずかしいのと、振り返るからには何か深い言葉をたくさん残したかったんですけど…、小学校の頃とか全然記憶になくて。
阿刀:いい言葉…、それはファンの皆さんに聞くのがいんじゃないですか?
根本:そうですね。どうでした?(場内かすかにどよめく)…多分あったんでしょう(笑)。みんな優しいね、ありがとうございます。
阿刀:でも、本当に覚えてないですよね。
根本:日頃生きていても意識してなかったからだと思います。一日一日って大切じゃないですか、なのに小学校の頃の自分はその大切さもわからずに常に「早く終わらないかな〜だるい〜」って生きていたので。道も近場の友だちの家と学校くらいしか覚えてなくて、近くのコンビニとかドン・キホーテに行けるようになったのは中学3年生くらいで。
阿刀:それってすごいですよね。今はどうなんですか?
根本:今も記憶力はない…。チェキとかに日付書くのも間違えたり、ワンマン・ライヴの日とかも間違えてtwitterに晒される日々が…。(場内爆笑)
阿刀:周りの人からIDOL AND READの反応とか如何ですか?
根本:まず実家がすぐに湧きました。「写真すごく素敵だね」って言われて、インタビューは、中学生の頃のほの暗い話とかしすぎたせいで親はあんまり触れてこなかったんですけど、姉との年齢差を一つ多く言ってるのを姉から突かれて(笑)。兄は載ったのは知ってるけど、多分読んではくれてなくて、鉄パイプを磨いてると思います(笑)。兄は典型的なヤンキーでして、国道をバイクで走ってるようなうるさい人種で、私とはかけ離れてて…懐かしいですねあんまり会ってないから。姉は私に似てるんですよ、ヲタクだったりとか大人しかったりして。
阿刀:へぇ〜〜、そうなんですか。この本とかお店に飾ったりしてるんですか?
根本:母のことなんで、お店(カフェ)に置いてると思います。
阿刀:お父さんは?
根本:「いいね」ってLINEで一言だけ(笑)。
阿刀:家族以外の他のメンバーからは?
根本:メンバーの反応はなかったですね。友だちもあんまりいないんで。…あ、寂しい〜〜〜ですね、気付いちゃった。寂しいです、すごく今。小学校時代の友だちも二人くらいしか連絡とってない!ヤバい!
阿刀:そういう友だちからしたら今の根本さんの感じとか驚きじゃないんですか?
根本:唯一勝ち残った(笑)親友たちは、「DVD見たよ」とか言ってくれて、地元に帰る度に応援してくれてるなって感じはあって、ありがたい限りであります。

引きこもりの布団の中からオーディションに応募した

img_1263阿刀:インタビューでもありましたけど、引きこもりからアイドルのオーディションに応募するって相当なもんですよね。
根本:引きこもりって経験ある方いるかどうか分からないですけど、結構しんどいです。分かりますか?毎日何の変化もないし、将来が不安だったりして。やることがネットを漁ることぐらいしかないのも結構辛くて、外には広い世界があるじゃないですかドン・キホーテとか(笑)。
阿刀:そこが広いかどうかは分からないですけど(笑)。
根本:携帯だけの世界ってわりと狭くて、友だちもそんなにいたわけじゃないし、サイトとかも限られてくるし…。この生活から抜け出したいという気持ちは日々ありました。
阿刀:これでいいや、とは思ってなかった。
根本:いいやって思ってた時期もあったんですけど、それを通り越してしんど過ぎるってなって。中学2年の途中から引きこもり、高校に上がっても学校には行かず、高校1年の夏くらいのオーディションまで引きこもってました。
阿刀:布団の中からオーディションに応募したっていうのが、いいなぁって思って。
根本:書類審査とか何か、オーディションが力を入れてやるもんだというのは知らなくて、ピクシブのつくドル!プロジェクトはLINEからも応募できたので、キューピーちゃんの部屋着で自撮りして、加工とかしづらかったからそのままで、布団から出たてみたいな薄汚い自撮りを送りつけました。その後、疲れたってまた布団に戻りました(笑)。
阿刀:そこではあまり悩まなかったんですか?
根本:送るだけはタダだし、でんぱ組.incさんにも影響を受けてたから、プロデューサーのもふくさんにも会いたくて、それで、「いいやっ」って力まかせに送りました。本当に受かるとは思ってなかったので一応…。
阿刀:オーディションに行くときの方が大変だった?
根本:そのときは、引きこもり+体調を崩してるときで、そんな病み期に外に出なきゃならないきっかけを自分で作ってしまったので…。本当は行きたくなかったんですけど、姉に付き添ってもらって行きました。行く電車の中が結構しんどかった思い出があります。小さい空間に人が密集してるのがめっちゃ怖かった、夏なんで結構暑蒸しくて。姉に「降りたい」って言ったら。「ダメだよ!」て言われて。
阿刀:お姉ちゃんはそうやって背中を押してくれるんだ。
根本:積極的に押すというより、「それはダメだよ」って優しく言ってくれる。
阿刀:なるほど。
根本:……(「IDOL AND READ 009」の表紙の古川未鈴を見ながら)未鈴さん可愛い…、さっき未鈴さんの写真集買っちゃったんです。おサイフ持ったままウロチョロしてて怪しい人みたいだった。写真集とでんぱ組.incさんのTシャツも買いました。下北沢のヴィレッジヴァンガードさんは日頃からお世話になってます。
阿刀:ヘヴィーユーザーなんですね。
根本:レコーディングの場所とわりと近いので、帰りに夢眠軒の食器を買いに来たりとか、結構来てます。
阿刀:自分の性格ってこの何年間かで変わってきてますか?
根本:根本的なネクラさとかネガティヴ思考は変わってないんですけど、人の目をちゃんと見れるようになったり、人のありがたみを知ったり暖かさにも触れて更生した気がします。

満員の川崎クラブチッタ・ワンマンライヴ

阿刀:この間の川崎クラブチッタでのワンマンライヴはどうでしたか?
根本:今、初めてワンマンライヴの感想を聞かれました。クラブチッタはキャパが1,300人で、それまで虹コンが成功させた恵比寿リキッドルームで800人だったんです。「このキャパはホントに本気出さないと埋まらない、ヤバいヤバい」ってメンバー皆で、告知の個性の出し方やライヴをより良くするにはどうすればいいかとか話し合いました。それまではそういう話をしたことがなかったんです。おかげさまで満員で迎えることができて、メチャクチャ嬉しかったです。
阿刀:僕も行きましたけど場内パンパンでしたもんね。
根本:本当に嬉しかったです!みなさんからの熱気も今までで一番だったし、私たちのライヴに賭ける思いも一番大きかったので、それが成功した喜びがとても大きく、皆1曲目で泣きそうになりました。感慨深かったです。
阿刀:正直なとこ、埋まると思ってました?
根本:思ってなかったです。毎晩寝る前にスカスカの川崎クラブチッタを想像しては不安になってました。最終的にはSNSでグラビアの要素を取り入れたカウントダウンを、スタッフさんに言って自分からやらせてもらったりとか、何としてでも、何をしてでも集めようとしました。それもいいライヴが出来るっていう確信が持てたから集めたんです。
阿刀:その自信はどうやって持てたんですか?
根本:冬TIFのとき、スタッフの方から「今の虹コンならいいライヴも出来るから、自信もって告知しなよ」って言われて。

この後、クラブチッタ・ワンマンライヴで発表された、ファン投票による「第1回虹コン楽曲大賞」(上位10曲がカウントダウン形式でライヴで披露された)の話題となり、根本さん推しの「ぴくしぶおんど」もラインインして落ちサビを全部歌えた話や、意外な「大キライでした。」が1位になった理由などが語られた。

阿刀:思い入れとか別にして、楽曲として根本さんが一番好きな曲はなんですか?
根本:え〜〜迷うなぁ〜〜、「奇跡100%」が好きなんですけど、最近出来たラーメンシングルの「LOVE麺 恋味 やわめ」もすごい好きです。
阿刀:カレーの曲「レトルト〜華麗なる愛〜」もびっくりしましたね。
根本:オーケン(大槻ケンヂ)さんが作詞、で作曲がヒャダインさんのすごい豪華な感じのカレー曲、メジャーに行く前の大暴れです。
阿刀:この日発表が盛りだくさんでしたけど、まずメジャーデビューおめでとうございます。
img_1142根本:ありがとうございます。これまでメジャーデビューできるのか本当に不安で疑心暗鬼になってたし、おかあさんにも「もうすぐじゃないの〜」とかごまかしてきたので、ホント、アリガテェです。(4月26日にキング・レコードよりDVDシングル『✝ノーライフベイビー・オブ・ジ・エンド✝』でデビュー)あと、虹コンの「赤組」「青組」が再編成で、大和明桜ちゃんが赤組に帰ってきました。赤青7人ずつってことで明桜ちゃんはずっと青組リーダーを務めていたんですけど、メジャーにもなるし、今まで一緒にやってきたこの8人で一緒にやりたいということで、皆でプロデューサーさんに時間を作ってもらって話をしに行ったりして、そういう面でも団結が深まりました。
阿刀:どんな状況だったんですか?
根本:普段感情をむき出しにはしないんですけど、このときは皆泣きながら一人ずつ喋って。その結果明桜ちゃんと一緒に赤組としてできることになって、すごい嬉しかったです。イベント終わりのプロデューサーさんとの打ち合わせだったんですけど、間に合わなさそうだったので雨の中メンバー皆で走ったのが、青春っぽくってチョー楽しかった、「これが青春か!」って(場内爆笑)。厚底履いてたんで走れなくて一人で遅れたんですけど(笑)。LINEとかも使って、何かのためにこまで皆で声を出したりしたのは、ワンマンの告知とかも含め初めてだったので。
阿刀:結束力が高まった。
根本:うん、いい話だ!(笑)。今、虹コンは一番いい状態だと思います。明桜ちゃん以外メンバー皆ネガティヴなんですけど、気持ちを上げて頑張って行こうって思ってます。
阿刀:そのタイミングでのメジャーデビューですが、今年一年を飛躍の年と。
根本:絶対します!虹コンとしてメチャクチャ大きい目標を立てていて、これは全員が揃ったとこで発表しますので、それを成功させる一年にしたいと思ってます。
阿刀:それは一年で叶えられる目標なんですか?
根本:いや、結構厳しい(笑)、それくらい大きい目標です。
阿刀:個人的な目標は?
根本:グラビアを頑張りたいっていうのもありつつ、自分の絵とグラビアを合わせて何か新しいことができないかなってずっと模索してます。そういう所で個性を出せていけたらいいなって。

このあと阿刀さんが急遽作った「質問コーナー」へ移行。そこでつくドルのオーディション応募時にアンドリューW.Kの画像を誤って混ぜて送ってしまったという謎の状況が根本さんより説明された。

根本:オーディションのときイラストレーター志望だったので、LINEで応募するときに、自分の写真プラス自分が描いたイラスト画像を送ったんです。私は一枚のドンとした絵を完成させるのがあまり得意ではなかったので、小さい絵をコラージュしたのを作ったんですけど、その中にアンドリューW.Kが紛れ込んでしまって、それをそのまま送ってしまうという悲劇が起きたんです。それは「IDOL AND READ 009」にも書いてあるんですけど、その頃、“祭りと聞いて駆けつけたアンドリューW.K”がすごい好きで、その画像がまとめサイトにいっぱい載ってたのをお気に入りとして保存してたのが仇となって、可愛らしい絵に混じってアンドリューW.Kが入ってしまって(笑)。でもその謎の配置が結果的に「こいつ面白いな」って思ってもらいオーディションに呼んでもらった、ということらしくて。だからアンドリューが居なかったら、私オーディションに合格してなかったかもって思うんですよ。
阿刀:いつか直接お礼言いたいですよね。
根本:ほんとですね。どこに行けばいいんだろ、東京とかじゃなくて。
阿刀:アメリカじゃないですか。
根本:フロリダ州?
阿刀:わかんない(笑)、イメージで言ってません?
根本:行きたいですねアメリカ。
阿刀:ではそろそろ時間なので、最後に締めの一言を。
根本:お、今、血糖値が上がっていい塩梅になってきたのに(笑)。今日は自分が日本語を正しい文脈で話せるか不安だったんですけど、大好きなこのヴィレッジヴァンガード下北沢店さんでトーク・イベントが出来るということで、すごくワクワクしていて。ここで出来たことが嬉しいし満員の皆さんに来ていただいて、本当にありがとうございます。感謝しかないです。これからもこういうトークとかも得意になれるように頑張っていくので、宜しくお願いいたします。このIDOL AND READたくさん読んでください!お話聞いてくれてありがとうございました、アリガテェ〜。(場内大拍手)

この後特典会が行われた。

IDOL AND READ 最新刊のご案内

  • IDOL AND READ 009
    購入する
  • IDOL AND READ 009

    A5判 / 240ページ / ¥ 1,320

    今を駆け抜けるアイドルの本音と本当が詰まったパーソナルロングインタビュー集『IDOL AND READ』の第9弾。
    今回の表紙巻頭を飾るのは、この本が発売されるのと同じ12月21日にベストアルバム『WWDBEST~電波良好!~』をリリースする、でんぱ組.incの絶対神、古川未鈴だ。
    本誌創刊号では波乱の生い立ちを中心に聞いたが、2回目の登場となる今回は、まさに「マイナスのスタート」から世界に飛び出たでんぱ組.incのヒストリーを、本誌過去最長の全36p、2万3千字インタビューで語ってもらった。

    そして裏表紙は、これまた創刊号で表紙を飾って以来の登場となる、BiSのプー・ルイ。
    前回は旧BiSの解散発表直後に話を聞いたが、今回はついに始動した新生BiSについて、その誕生から野望までを聞いた。

    さらに、元アイドリング!!!で現在マジカル・パンチラインで活動している佐藤麗奈、MVがYouTubeで1,700万再生を越え世界的に話題のThe Idol Formerly Known As LADYBABYから弱冠16才のカリスマ黒宮れいなど、今回も全12人のアイドルがすべてパーソナルで、ロングインタビューと完全撮り下ろしグラビアで掲載。

    【CONTENTS】
    古川未鈴 でんぱ組.inc

    プー・ルイ BiS

    佐藤麗奈 マジカル・パンチライン

    黒宮れい The Idol Formerly Known As LADYBABY

    中川美優 まねきケチャ

    ハシヤスメ・アツコ BiSH

    雨宮伊織 妄想キャリブレーション

    根本 凪 虹のコンキスタドール

    今田夢菜 PassCode

    如月愛海 ぜんぶ君のせいだ。

    カミヤサキ GANG PARADE

    コショージメグミ Maison book girl

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