20161011idolandread

 

禁断のアイドルマガジン「IDOL AND READ 008」の発刊記念トークイベント第1弾が10月4日HMV&BOOKS TOKYOにて行われた。IDOL AND READ吉田編集長の司会で、ゲストには天照大桃子(バンドじゃないもん!)が登壇。

天照大桃子にアイドルという人生をやってもらおう!と、ちゃんもも◎が思ったんです

 吉田:拍手でお迎えください、天照大桃子さんです。
天照大桃子(以下もも◎):こんばんは。今日は来てくれてありがとうございます、バンドじゃないもん!のディープマリンブルー担当のももちゃん◎こと天照大桃子です。今日はよろしくお願いします。
吉田:若干びっくりしてるんですけど、天照大桃子としては初イベント?無茶苦茶ソロをやってるイメージが一般的にはあると思うんですけど…。
もも◎:そうですね、ちゃんもも◎としてアイドルとは別に元々DJとかラジオの活動をやらせていただいてたんですけど、バンドじゃないもん!の天照大桃子として外のイベントを一人でするのは初めてです。
吉田:ちゃんもも◎と天照大桃子では自分の中でどういう使い分けがあるんですか?
img_0344ed_reもも◎:人格って自分の中に何個かありませんか?もも◎の中では第一の人格で竹内桃子という人が生まれ落ちたんですけど、その人格さんは19歳のときに「今世諦め之介」という形で、“もう、だいじょうぶです”という感じになったので。その頃何があったかというと、私のお父さんとお母さんが立て続けにがんという病気で、予想だにしない珍事件があって…、あ、ここは笑って大丈夫なやつですから(笑)。これは本当に言っておきたい! 自分で自分の親をいじってるとみんな思うかもしれないけど、もう乗り越え過ぎてて全然大丈夫。そういうことがあって家でずっとゲームとかやってて、どうしようかな…と思ったときに急に、ちゃんもも◎という人格が登場して、「ちょっと、この身体引き受けたわ」という感じになって、twitterのアカウントを始めて、一回終わった人生だからここからはちゃんもも◎として出来る限り最大限に、人の邪魔にならない程度に幸せになる方法を探してみようと思ったんです。で、ちゃんもも◎の道の中に、『テラスハウス』に出るとかアートやるとかがあったんですけど、バンドじゃないもん!のオーディションを受けてそれに合格する頃「天照大桃子にアイドルという人生をやってもらおう」とちゃんもも◎が思って。それが3番目の人格です。
吉田:本名の竹内桃子、ちゃんもも◎、天照大桃子と。
もも◎:天照大桃子は一番外側で、中心に竹内桃子がいるというマトリョーシカ形式になってます(笑)。
吉田:今日は?
もも◎:天照大桃子が来てます。
吉田:ちなみに最近出てきたガガ・ディーレというのはどういう人格なんですか?
もも◎:知らない方のほうが多いと思うんですけど、ガガ・ディーレは“ココロのブスが一番のブスなんじゃないか”ということを一生懸命歌で表現する「ブスNY行きたい族」という新しい形のHIPHOPみたいなことをやってるコンセプチュアルな4人組があって、そのときに使う名前です。性格としては強めです。もも◎は自意識過剰なんです。今では好きなアイドルの方とかがいると、同じ職業ですから、“一緒に写真撮ってください”とか、仲がいい感じで撮れるんですけど、本来は「私は元ヲタクだ」という自意識によって何もできなかったり、「この人生で、この見た目でサブカルが好きというのは恥ずかしいな」とかがあって。でも、ガガ・ディーレはその自意識を解放した存在なので何をやっても恥ずかしくない、何してもいいやって人格です。
吉田:それはいいですね。
もも◎:名前を変えるとすごい前向きな切り替えができませんか?みなさんもヲタクネームがあるじゃないですか。本名では言えないことが言える切り替えのスイッチ…そういう感じです。
吉田:ヴィジュアル系のバンドマンがメイクをするのと近いですかね。
もも◎:そうですかね、スイッチが入る瞬間ですね。
吉田:それは自然と切り替わる?
もも◎:切り替える、という認識があります。

天照大桃子はBiSさんの存在がなければやろうとは思えなかった

吉田:バンもん!の天照大桃子というのはどういう人格ですか?
もも◎:アイドルになるために生まれてきたなって方がアイドルになる場合を私はよく見てきたんですけど、時代が変わっていく中で、アイドルにも多様性が出てきて、自分に一番感情移入できるアイドルを選ぶとか、外側や夢を見せるだけじゃなくて生き様を見せる存在にもなってきてたりして。その中のパターンの一つとして存在させてみたいと思ったのが天照大桃子なんです。
吉田:インタビューをしてて、この人どこまでもポジティブだなと思ったんです。それまでネガティブなことがいっぱいあったはずなのに。
もも◎:ネガティブな部分は今もありますけど、その中で次はどうしようって必ず考えます。天照大桃子はBiSさんの存在がなければやろうとは思えなかったんです。自分はずっとハロプロとかエビ中とかAKBさんとかが好きで、それがアイドルという概念がめちゃめちゃ強くて、当時はその概念を壊されるのがいやで嫌いなアイドルもいました。個性的なアイドルの限度というのが自分の中であって、それを超えてるものが評価されてるのが理解できなくて、これはどういう現象なんだろうって思ってた。だけどその良さがわかってくると、BiSさんとか本当に知れば知るほど好きになったんです。最初はアイドルの枠では見てなくて、もっとアート寄りな存在だなと思ってたんですけど、でも、BiSさんはめっちゃアイドルじゃないですか、それがわかったときにマジでカッケーっと思って。アイドルっていう概念はここまで壊されてるんだ、広がってるなと思いました。それがなかったら自分はアイドルのオーディションを受けちゃいけない存在なんだと思ってました。アイドルを目指しちゃいけない、目指すつもりのない人生だったから整形とか公言してたので。でもBiSさんの存在があったから、“(バンもん!の)オーディション受けてみない?”って言われたときに、もし大丈夫なら受けたいという気持ちになりました。
吉田:BiSを見て“あぁ私もアイドルになっていいんだ”という気持ちが芽生えて、それを天照大桃子に投影したという。
もも◎:そうです。

バンもん!の中で個人的な推しは?

img_0328ed_re 吉田:個人的に聞きたいんですけど、ベルハー(BELLRING少女ハート)のあーやん(柳沢あやの)がスゴい好きじゃないですか、それはなぜ?
もも◎:めっちゃきっかけがあって、バンドじゃないもん!に入ったときに、私にできることとして使命感を感じたことの中の一つが、前の方の卒業のニュースよりも絶対に話題にすること。私が入った頃のバンドじゃないもん!はもっとアート寄りな感じで、私はDJでバンもん!を見てチョー感動して、こんなにカッコよくて可愛くて曲も最高のグループなのに、なんで“アイドルじゃないでしょ”的な見方をされるんだろうってムカついてたんです。バンもん!はアイドル系の対バンももっとあったほうがいいと思ったし、そこで仲良くなったり、バンもん!という存在を知らしめようと思っていろんなグループのライヴを研究しに行きました。そこでベルハーさんのライヴを見て一目惚れしました。
吉田:中でもあーやん。
もも◎:はい、顔が好きですね。
吉田:顔から好きになるタイプ?
もも◎:顔とか歌唱力とかいろんなきっかけがありますけど、あーやんの場合は顔も好きだしパフォ−マンスもすごい好きで。
吉田:なるほど、で、バンもん!の中では誰が好きとかありますか?
もも◎:バンもん!の中ですか?みんな好きですよ。自分がヲタクだったら誰を推すかなぁとか迷っちゃいますね。
吉田:最近twitterとか見るとゆずポン(甘夏ゆず)とつるんでません?
もも◎:つるんでる…、仲いいとか言って(笑)。一緒に加入した同期だし、あと日本酒が好きで一緒にお酒飲んでくれるので。ゆずポンとは、イベントとかDJとか自分たちでできることで、バンもん!のいろんな入り口の中の一つになりたいって話してます。
吉田:人間としてはみんな好き?
もも◎:人間としては全員好きです。バンもん!って自分以外の、私が憧れの女の子像が全部いるんですよ。本当に推しが選べない。
吉田:選べないというより5個推しがあるって感覚ですかね。
もも◎:そうですね。それぞれのここが好きっていうリスペクトが全員にはっきりとあります
吉田:そういう個性の集団はまとまるのが大変じゃないですか?
もも◎:それが大変じゃなくて、みーちゃん(鈴姫みさこ)っていう圧倒的な存在があるのでスッとまとまります。

このあと、バンもん!オーディション時にメンバーが試験官で、試験項目にじゃんけんがあったことや、先日行われた「AOMORI ROCK FESTIVAL ’16〜夏の魔物〜」でのエピソードが語られた。

吉田:では本の話題に戻るんですが、撮影は渋家(シブハウス)で行ったんですけど、久しぶりに行った感じでした?
もも◎:たまに打ち合わせとかで行きますよ。
吉田:昔は渋家の代表だったんですよね。
もも◎:代表がコロコロ代わってて、私は7代目かな。自分が有名になったタイミングで何か恩返しできることがないかなって思ってやりました。最近テレビとかでも渋家は取り上げられてて、それはリアルな姿だなって思うけど、いざネットで検索とかすると有りもしないイメージがついていて。もともとアートとかやってたから炎上系みたいなところがあって、2011年にちょっと炎上系を狙っていく5分くらいのテレビ番組で、渋家で映像を撮りましょうって言われたときに、スキャンダラスなワードをバン!バン!バン!って出すフィクションかノンフィクションか…ってイメージの作品を作ったら、こう、わりとヘンな感じになっちゃって。
吉田:間違ったイメージが伝わってしまった。
もも◎:番組は悪くないんですけど、それを観た誰かわからない人が書いたブログみたいなネットの記事で。
吉田:テレビって難しいのは、そこだけ切り取ってクローズアップされてしまうし、ネガティブなことのほうがバズりやすいじゃないですか。
もも◎:いろんなことがあって、普通に生きていると何がアートか?って計れないと思うんです。学校では習わない価値観だったりするから。でも私って性格的に“自分が正しい”ってことがあんまりなくて、いろんな価値観のある人を許容していくことが自分のスタイルに合ってると思うから、そういうスキャンダラスなことで一回バズらせて好きなことをやるって方法があってもいいと思うんです。私は芸能界に行きたかったから、スキャンダラスなことにノータッチで、はっきりと自分に自信を持って表舞台に立てる人間として生きてきたから。
吉田:誤解されたことで、そうじゃないのにっていうのが伝わって欲しいという思いはああります?
もも◎:ネットのアーカイブがどういう風に残るかがけっこう問題で、興味を持って検索してくれた人に、真実の情報と真実じゃない情報とが飛び込んできて判断のしようがないことがあって。例えば私の名前で検索すると私じゃない女の子の写真が出てきたりして。渋家で茶髪の女の子がキティちゃんの鏡を持ってだらしないポーズで化粧直してる写真が、私のネット記事みたいに載ってて、「これもも◎じゃない!」って思った。だから「本当にテキトーだなぁ、これはもも◎じゃないしそう思われてたらイヤだなぁ」って。そんなこともあって大変だなって思いながらも新しい良い歴史を作って、インターネットに良い情報が載っていくようにしたいと思います。
吉田:今は天照大桃子がどんどん歴史を塗り替えていってるじゃないですか。
もも◎:初見で誤解されてることが多いから…。たまに自分の名前で検索すると、“ちゃんもも◎マジ闇深そう、推せる”みたいな(笑)。深くないよ!明るいよっ(笑)。
吉田:でも推しならいいじゃないですか。
もも◎:来たときにチョー神対応しちゃうけど大丈夫かな?って。
吉田:あ、実は病んでることを求めてるかもしれないから。そしたら違ったみたいな(笑)
もも◎:がつがつかよ、生きること頑張ってんじゃんって。
吉田:実際会うとけっこうファンキーな人ですからね(笑)。

もも◎に輪をかけてファンキーだったおかあさんの話題からUFOや宇宙人に会った話、吉田編集長もよくなるという金縛りや幽体離脱の話とディープな話題が続いた。

吉田:先ほどの渋家の話題に戻るんですけど、あそこには初めて行かせてもらって、なんかスゴい居心地がいいんですよね。
もも◎:よく例えられるのは、友だちの実家に遊びに行ってお父さんもお母さんも本人もいない状態。一軒家だし、本も何千冊もあってWI-FIあるし、何時間でも居れちゃう感じはありますね。
吉田:誰かが何かをしてくれるわけじゃないんですよね、でもここにずっと居ていいんだって感覚があって。ただ扉を開けたときは怖かった、開けちゃいけない空気感がして。
もも◎:入るとそういう感じじゃないですよね。
吉田:渋家は変わってない?
もも◎:やっぱり新陳代謝はあります。元祖として作ってきた人たちとか盛り上げてきた人たちは、自分の行く道でみんな夢を形にしていて。今あの家には自分の夢を追ってる子たちが集まって、上映会とかいろんな企画とか映画で使ってくれたりしてて、そういう世代交代はありますね。
吉田:では、そろそろ時間なので、ここでお知らせとか。
もも◎:バンもん!Fes.が12月にあります。渋谷のWWWとWWW Xで12月17日に、で、そのスピンオフとして名古屋と大阪で対バンイベントがあります。
吉田:東名阪では内容が全然違うんですか?
もも◎:違います、中身とかはまだまだ決め込み中なので楽しみにしてください。
吉田:今言える範囲でなにか(笑)。
もも◎:何だろう…面白い人は出ると思います。ほぉ〜って感じの。あ、だんだんまたしゃべるのが遅くなってる(笑)。私のしゃべり方って相手によってすごい変わっちゃうほうなので。
吉田:ほぉ〜。
もも◎:だからどういうしゃべり方で掲載されるのかなって気になります。自分でもどれが本当の自分なのかわからないんですよ。
吉田:だから、いろんな顔があるっていうことにも行くんですね。
もも◎:(場内に)みんな自分のしゃべり方って知ってますか?
吉田:深い質問ですね。自分のしゃべり方ってわからないですよね。
もも◎:友だちとか相手によって変わっちゃうので。だから今日とかは畏まっちゃってますよ(笑)。
吉田:では、時間ですのでトークはこれで終わりということで。
もも◎:今日はいろんなイベントがある中で、平日にもかかわらず渋谷にお集まりいただきありがとうございました! 本当に感謝してます、来てくれて。

このあとサイン会が行われた。

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    【CONTENTS】
    木下百花 NMB48

    傳谷英里香 ベイビーレイズJAPAN

    伊山摩穂 GEM

    滝口ひかり drop

    リンリン BiSH

    天照大桃子 バンドじゃないもん!

    廣川奈々聖 わーすた

    新井愛瞳 アップアップガールズ(仮)

    高嶋楓 PassCode

    井上唯 Maison book girl

    成海5才 ぜんぶ君のせいだ。

    神谷えりな 仮面女子

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