ジョージ・マーティンになりたくて~プロデューサー川原伸司、素顔の仕事録~

ジョージ・マーティンになりたくて~プロデューサー川原伸司、素顔の仕事録~

¥ 1,980 (本体 1,800+税)

発売日 2022/07/14
著者 川原伸司
サイズ 四六判
ページ数 248ページ
ISBN 978-4-401-65218-1

~ショウビズ界すべてのスタッフに捧げる~

「ビートルズだったらこういう風にやるだろうという生き方を僕も実践しよう」……高校1年生でビートルズの武道館公演を体験、社会人1年目で40万枚のヒットに携わり、様々なメディア関係者と交流しつつ大滝詠一、松本隆、筒美京平のブレーンも務めるかたわら、「少年時代」(井上陽水と共作)「瑠璃色の地球」(松田聖子)などを作曲。プロデューサーとしては中森明菜、森進一らの音源制作にも関わってきた希代のスタッフ、川原伸司の仕事録

【CONTENTS】
第1章 少年時代
〜プロデューサーは、人に寄り添い共感するのが仕事〜

テレビとステレオが先。生活必需品が後回し
ショウビズの裏側への興味がすごかった
洋のセンスをどうやって和に取り込むか
苦手なことを何かで代用して置き換える
「レコード上のコメディ」的なものが好き
メインの曲が、実は同じコード進行でできてる
ビートルズを唄ってるやつは、学年で四人くらいしか
ビーチ・ボーイズを好きになったのは、バランスを見るため
アメリカで発売になると、次の日に誰かが持ってくる学校
ジェームス藤木と佐藤隆のバンド、ケタ違いに上手かった
バンドはやだなあと思って、一人で録音するようになった
マルチ・レコーディングの初期の技術は、自宅で独学
横尾忠則さんのやってることは、誰よりもビートルズっぽい
 
第2章 大学生活とビクター入社
〜欲目がまったくなかった〜

3〜4年生では全然学校に行かず、家で多重録音ばかり
21歳で、いまで言う200万くらいのピアノを買った
アルバイトして虫プロ入って、趣味で音楽もと
タダで3ヵ月働かせてください。お役に立つと証明できます
2つ重ねたほうが絶対に“イマジン”らしくなりますよ
飯田久彦さんと一晩中一緒にビートルズを弾いたり
新人の自分がアルフィーを連れて名古屋キャンペーン
毎日6時すぎになるとシンコーミュージックに行く
ロックの作法、線引きは山本隆士さんに教わった
他社の同世代のプロモーターと集まってワイワイガヤガヤ
こだわりの強い人のお相手をするのが好き
物怖じしない、先入観もない。みんな音楽家だし
 
第3章 杉真理
〜アマチュアのバンドのままでやりたい。このメンバーでやりたい〜

万枚売れれば1億だから、宣伝費は1,000万
「第2の井上陽水を探してこい」けれど「違うものを、これからは」と
バンドの面白さは、成長物語が楽しめること
ショウビズの世界ではアヴァンギャルドな性格じゃないと
杉真理と竹内まりやと三人で、月2のビートルズ研究会
アーティストの成長って、プロデューサーが必要なくなること
アーティストや作家は、こういう風に考えるんだと学ぶ
 
第4章 大滝詠一
〜「親しき仲にも礼儀あり」の距離のとり方〜

3枚目の『HAPPY END』がいちばん好き
毎月1〜2回、カレー食べて麻雀やって、よもやま話
『ルリ子の涙』に『宍戸錠の名セリフ集』
ロックンロールはアメリカ盤がいいのは、とにかく音圧
「新しいことをやっていこう」という思いが強い
テーマは「ソニーの大販促網をどうやって動かすか」
ナイアガラの旧譜に、すごいプレミアがついてる
ロンバケは“疑似はっぴいえんど再結成”
永井さんの描いたイラストのジャケットが正解だった
これは洋楽邦楽文化を超えた一大企画だし、命を懸ける
金沢明子はお弟子さんが3万人いる、日本を代表する伝統的フォークシンガーだ
表紙が付いてるのは、阿久悠さんが入れ込んだ時
大滝さんとは同じバンド・メンバーのようなつもりでいた
ああ、バンドってこういう絆なんだな
 
第5章 松本隆
〜気を遣わなくていいし、嘘をつかない人だから〜

カラオケで、俺たちが唄う歌がないんだよな
松本隆さんの詞は、見ていると自然にメロディが浮かび上がってくる
細野晴臣さんが坂本龍一さんにその場で頼んだんです
筒美京平さんは「あんまりポップスにしちゃいけないよ」と
松本さんは努力の跡を見せない人
 
第6章 松田聖子
〜この仕事を始めたのは、こういう曲を作ることにあった〜

何でもありの発想でやったほうが面白い
時代を変えていくという気概がないと、ダメなんだ
曲を作ってくれ、翌朝9時半までに
松田聖子がピンチで困っているんだから、助けてあげようよ
プロデュース権を取っておけば、決定権が集約される
音楽がどう残っていくかを考えるほうが大事
「ガラスの林檎」だけが、メジャーセブンスを使っていない
とにかく助けてください、お願いしますというのは嫌
 
第7章 中森明菜
〜正統派の、12ラウンドを戦うボクサー〜

中森明菜は家を背負っている重さがある
生身のアーティストを扱うということ
3通り唄いますから、どれが好きか決めてください
この人は音楽の話だけをちゃんとしようと思っているんだ
なぜ強引に粘らなかったのか、悔やまれる
中森明菜の斜めなバランスこそが、彼女の正しいバランス
名曲を求めているなら、カヴァー集にすればいい
「瑠璃色の地球」を明菜が唄うとドキュメンタリーになる
 
第8章 鷺巣詩郎
〜おもちゃ箱をひっくり返したような、カラフルで、画が見えて〜

お互いにコード進行で会話ができるような
CMソングが流行歌になるなんて考えられない時代に
音楽業界は「作品」を、芸能界は「商品」を生み出すところ
僕がビクターの“鷺巣詩郎窓口”に
いつ電話しても、なんだか間合いが良くて
頼もしい友人であり、盟友
 
第9章 井上陽水
〜オンとオフのバランスがとれていて、虚像を作らない〜

いまから一緒に行って作りましょう
陽水さんに出前を取ってもらいました
大滝さんが「今日は調子が出ないから、あとは任せた」
会ったばかりで「じゃあ一緒に曲を」なんて
これ、おふくろに聴かせたら喜ぶだろうな
陽水さんのスタジオは、自由度が高い
いいものができて、自分が「このアルバムを発表したいな」という時に出す
A面B面の、かけ離れたバランス感が好き
付き合い方の作法をわかっていたし
ギターじゃ絶対出せないコード進行を心掛けて
藤子不二雄Ⓐさんは、何も言わずに帰っちゃった
陽水さんも僕もアンバランスなバランスが大好き
相手との間合いを的確に察知してくれる
筒美京平さんが「カナディアン アコーデオンって何?」と
自分の奥底まで深く穴を掘っても、普通に出てこられる
 
第10章 筒美京平
〜プロとして、人として生きていくということ〜

いつか、サシで仕事しようね
作家同士は“緊迫した仲の良さ”みたいな
いままで組んだことのない人と仕事をしましょう
小沢健二との「強い気持ち・強い愛」
“J-POPの父”
アルバイトみたいにフラフラやってるのは、やめてね
自分で曲を作っていると、作家の苦労がわかる
全方位対応の職業作家、本物の職人
どんなにやりあっても大丈夫、それが僕の役割り
異能にもかかわらず、いつも常識人であること
 
第11章 ビートルズ主義
〜大人になったという自覚がいまだにない〜

融合しないものが融合していたビートルズ
これが求めているカウンター・カルチャー
打倒キャンディーズ
じゃあ本物のビーチ・ボーイズを使えばいい
努力の差というよりは、露骨に才能の差
桑名正博さんのアイドル版を作ればいい
制作進行いっさいを取り仕切るプロデューサー
曲が生まれてきた背景の演出にこだわる
できるだけ振幅の大きい、反対側のバランスをとる
日本の音楽界はまだまだ発展する可能性がある
実はあんまり否定されたことがなくて、肯定感だけでやってこれた
メリー喜多川さんが「歌い出しは堂本剛に決まってるでしょ!」
コワモテでも、みなさん音楽がほんとうに好き
バランスの中心点である「ひとつの場所」は“音楽”

川原伸司・年譜

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