ウィントン・マルサリスは本当にジャズを殺したのか?

ウィントン・マルサリスは本当にジャズを殺したのか?

¥ 1,980 (本体 1,800+税)

発売日 2015/7/27
著者 中山康樹
サイズ 四六判
ページ数 272ページ
ISBN 978-4-401-64173-4

1月に急逝したジャズ評論家・中山康樹の「遺作」

80年代の幕開けとともに登場した、稀代のトランぺッター=ウィントン・マルサリス。
ジャズばかりでなくクラシックの世界でも目覚ましい活躍を見せ、本国アメリカでは9つのグラミー賞を受賞している。また、初めてジャズ・ミュージシャンとしてピューリッツァー賞音楽部門も受賞、演奏やソングライティングの実力、そして人気も評価も超一流だ。懐も深く、エリック・クラプトンやウィリー・ネルソンなどとジャンルを超えて共にプレイしている。そんなウィントンだが、日本ではいつしかそれとは落差の大きい状態となってしまった。人気も評価もそれほど高くはなく、いわば「忘れ去られそうな天才ジャズマン」という位置づけになっている。
「スイングジャーナル」編集長時にウィントンを「新伝承派」として猛烈にプッシュした中山康樹は、いま改めてそのキャリアのすべてを生い立ちから検証、ウィントンの魅力と実績を積み上げていく。ウィントンの兄ブランフォードをして「日本人はジャズを理解していない」と言わしめた、その日本人のジャズ観、そしてジャズとの向き合い方にも同時に迫っていく──「ジャズ史の見直し」を提唱していた中山が、精魂を傾けて最後に書き上げた問題提起の書。ジャズ・ファン必読の一冊。

【CONTENTS】
序章 「ジャズのない時代」に生れたジャズ・ミュージシャン
第1章 1981年7月、東京
第2章 許されざる黒さ(Unforgivable Blackness)
第3章 クラシック vs ジャズ
第4章 ジャズを知らないジャズ・メッセンジャー
第5章 ウィントン・マルサリスの肖像
第6章 ウィントン・マルサリス作品体系(序)
第7章 ウィントン体制の確立
第8章 ジャズ帝国:ジャズ・アット・リンカーン・センターの歴史と全貌
第9章 「グループ」としての変遷と挑戦
第10章 ウィントン・マルサリスが変えたもの
第11章 そして誰もいなくなった?
第12章 アメリカン・ミュージックとしてのジャズ
終章 ウィントン・マルサリスはジャズを殺したのか

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