IDOL AND READ 020』の発売を記念したトークショー&サイン会が、兎凪さやかさん(ZOC)をゲストに迎え、2019年10月18日書泉ブックタワーにて開催された。司会進行はIDOL AND READ吉田編集長が担当。

<ZOCには欠かせないメンバー過ぎるでしょ兎凪さやか>って言われるように自分自身もっと成長したい!!

── 今日はこんなにお集りいただきありがとうございます、では兎凪(うなぎ)さやかさんお願いします、拍手でお迎えください。(場内大拍手)

兎凪さやか(以下兎凪):こんにちは、ZOCの兎凪さやかです、今日はお集まりいただいてありがとうございます、よろしくお願いします。

── まずは最近の話題を伺いたいんですけど、今はセカンドシングル「断捨離彼氏」のリリイベ(リリースイベント)中ですよね?

兎凪:リリイベも終わって10月19日のチェキ会でラストですね。

── 今回のリリイベはいくつかチームに分かれてやってましたけど、フラゲ日には兎凪さん1人で大阪に行きましたよね?

兎凪:めっちゃ行きたくなかったです(笑)。1人では行きたくない。無理だよ、だって1人で大阪に行くって──絶対、人来ないじゃん! さやか、(ファンが)3人しか来ないって思ってた。

── 1人でどんなことをしたんですか?

兎凪:ソロ曲(「愛モード」)と「チュープリ」をボロボロになりながら歌いました。あの曲、サビのところを1人で踊りながら歌うのが辛いんですよ、息が切れて。「チュープリ」やると決まったのも本番の30分前くらいで。私、大学に行っててその後新幹線で大阪に向かったんで、(他の地方でリリイベをする)他のメンバーから“私は「断捨離彼氏」の踊ってみたと、「イミテーション」歌うね”とかグループLINEに送られてきて。私はソロ曲だけをやろうと思ってたら──あ、これもっとやらなきゃならなくなる──、ただでさえ1人でリリイベ30分前に“もう無理、もう無理!”ってなってるのに……で、「チュープリ」歌いました。

── なるほど。

兎凪:私ができるとしたら「チュープリ」しかないと思って。

── リリース当日には、大森(大森靖子)さんと2人でリリイベしましたよね。

兎凪:吉祥寺ですよね。あの日は「断捨離彼氏」と「イノセンス」の発売記念リリースイベントなのに、なぜか「チュープリ」を踊って一緒に話してました。

── 大森さんと2人で。大森さんってマシンガン・トークじゃないですか、兎凪さんも話せました(笑)?

兎凪:(場内に)話せてたよね? 結構楽しかったですよ、終わってからも、靖子ちゃんが“楽しかったね、また2人でトークイベントやりたいね”って言ってくれて。

── 次にライヴの話を聞きたいんですけど。ZEPP TOKYOで9月9日に初ワンマン・ライヴをやりましたけど、手応えというか感想は?

兎凪:ZEPP TOKYOに立つと思ってなくて、最初ワンマン・ライヴをやるってなった時に、赤坂BLITZとかBLAZEとかでやるか…みたいな感じだったんですよ。でもにっちやん(西井万理那)とさやかが調子に乗って“ZEPPがいい、 ZEPPがいい‼︎“って言ってたらホントにZEPPになっちゃった(笑)。それで、“埋まらなくてもZEPP頑張ろうよ”って言ってたらホントに実現しちゃって、しかも完売に。

── いやいや、完売どころか、即完!ですよ即完!

兎凪:即完!してて──もう、引きました。自分たちもZOCがここまで大きくなってるとは──だってまだ1年ですよ。1年でZEPP TOKYOを埋められるほど大きくなってると思ってなくてびっくりしました。ライヴ無茶苦茶楽しかったけど、ソロ曲はもうやりたくないと思いました。

── この日のために大森さんがメンバーそれぞれのソロ曲を用意してくれて、それをそれぞれが1人で歌うという。

兎凪:(場内に)だって怖かったんだもん! 靖子ちゃんにも“頑張ってたのは伝わったけど、めっちゃ顔がこわばってて怖かった”って言われて(笑)。

── 兎凪さんのソロ曲の「愛モード」はちょっとエレクトロっぽい感じの可愛らしい曲でしたけど。じゃ、もうやらないんですか?

兎凪:やりたいけど、あんな大きい会場で1人でやったのは──もう、終わってから足がガクガクした。楽しかったけど、めっちゃ怖い…みたいな。

── 超満員のZEPP TOKYOで、たった1人で歌ったわけですもんね。

兎凪:あの日は台風も大変だったんですよ。電車は止まってて、全然着かないから、タクシーで行こう──となって捕まえようとしてもタクシーがいない。電話もつながらないし。大泣きして階段から落ちて、バックレようとしました。鬱になり過ぎて。だってホームに入れないし、鬱が止まんなくてママに大泣きしながら電話したら、“ママも会社だよ〜車では送れない”って。大事な日にこんなことになって────。

── IDOL AND READのインタビューの時も思ったけど、お母さんと仲いいですよね。

兎凪:仲はいいですね。

── ちなみにお母さんはこの本は読んで…。

兎凪:読ませなかった…(笑)。なんか自分のこと秘密にしてる部分もあるんで、よく話すけど何でもかんでも話してはいないから。最初、アイドルを始めるのも内緒だったんですよ。

── えっ?!

兎凪:ZOC始めるのも内緒にしてて、“実はアイドルやってるんだよね”って、始まって半年経ったくらいに。

── じゃ、今年になってから言ったんですか?

兎凪:ぐらいに言いました。“知ってたよ、見た見た”って(笑)。あっ、知ってたんだ…みたいな。

── で、そのインタビューをしたのが8月の暑い日で、あの時はまだZEPPのライヴは決まってなかった──。

兎凪:そうです、そうです。

── 取材したちょっとあとくらいに突然ZEPPが発表されたんですけど、マネージャーに聞いたら、本当に急に決まったって言ってて。

兎凪:そうです、本当に急に決まったんです。ソロ曲を渡されたのもライヴの1週間前とかで、振り入れも曲入れも全部大焦りで。だからZEPPはめっちゃ不安だったんです。本当だったら1ヶ月間みっちりレッスンを詰めて、“ZEPPに挑むぞ!“って感じなのに、1週間前になっても“やるよ〜〜ZEPPだよ〜〜”って感じだったから、本番になってから、“ZEPPどうしよ〜 無理〜!“って言ってました。「命の母」3つ飲みました。

── (笑)それで、本の撮影時の僕の思い出深い話をすると、最初は撮影をすごく嫌がってたんですよ。

兎凪:そうですね、他撮りとかは。

── 他撮りは絶対されたくない!って言ってて。でもカメラマンが撮りだして、撮ったのをちょくちょく見せると──なんか。

兎凪:意外と可愛くない?(笑)って。

── だから自撮り詐欺なんかじゃなくて、他撮りでも可愛いんですよ。

兎凪:本当ですか? ありがとうございます。

── 実際、出来上がった写真を見てどう思いました?

兎凪:これはもうめっちゃ盛ってあって。

── いや、盛ってないですよ! 基本撮ったまんまなんで。

兎凪:でも、自分の顔って分からなくないですか? だから他人にどうやって見えてるのか分からないし、やたらめったら“ブス”って叩かれるから、自分の顔が分からな過ぎて、“私も分かんないんだよね〜“って気持ち。

── ちなみにIDOL AND READでのZOCの流れを言うと、去年12月に大森さんに最初表紙をやってもらって、その時に、ZOCを全員取材したいと思ってるんですよねって言ったら,大森さんに“誰が気になってる?”と訊かれたので、“兎凪さんのことが結構気になってます”って応えたんです。

兎凪:え〜ホントですか?

── その頃、兎凪さんが<自撮り詐欺>ってずっと言ってたんで、“実際は可愛いのにそんなふうに言っているので興味があるんですよね”って大森さんに言ったら、<自撮りに本当の自分がどんどん近づいて追いついているんだけど、自撮りの技術も成長しているから永遠に追いつかない>って言ってて。

兎凪:そうなんですよ、一生追いつかない、一生自撮りするんですよ。

── でもそれって、自撮りに近づこうと努力して、どんどん可愛くなってるってことだから、実はすごくいい方法ですよね。

兎凪:ラッキーですよね。だから、自分の目標がすぐ近く(スマートフォンにある画像)にあるから、ここを加工して──って、“あ、ここが私ダメなんだ、じゃぁここをメイクでどうにかしよう”…ってなるんですよ。そうしてメイクをしてどうにか写真映りが人に見てもらえるような顔にしようと頑張ってたら、ちょっとずつ見せられる顔になってきたのかもしれない。1年前の写真とか見ると引きますもん、えっ、これでライヴに立ってたんだ──って。

── 今日女性も多いので、何かアドバイスすることがあれば。

兎凪:なんだろう、自撮りに近づく方法…。自分の顔をめっちゃ見てます、やたらめったら鏡を見ます。鏡が嫌いな子って多いと思うし、さやも鏡を見る瞬間“何!このブス!”“無理!”ってバゴーンって鏡割っちゃうくらい嫌いだったんですけど、鏡をめっちゃ見て自分のどこがダメか研究しまくって。それが分かったらその化粧とか調べまくって、この人はこうやってコンプレックスを埋めてる──っていうのが分かって、それを基に自分が上手くいく方法でごまかしてます。私はつり目が嫌いだから目尻をこうしよう──と、目をパッチリさせるためにもまつ毛がクイっと上を向くように1年半研究して、このまつ毛になりました。逆さまつ毛だからすぐ下りちゃうんです、それを下りないように長年研究してやっとこの顔になりました!

── 要するに努力家なんですよ。

兎凪:えぇ?そうですか。うれしい。

── インタビューでも言ってるんですけど、看護大学行きながらZOCやってて、学費は自分で払ってしかも親に仕送りをしながら──っていうのも、なかなかいないですよ。素晴らしいと思いますけど。

兎凪:でも、私、大学は休学しちゃいました。リリイベ期間寝る時間がなくて。夏休みがちょうど終わったんですよ、それからリリイベがあって、そうしてると、最初だから課題がめちゃめちゃ多くて、1日に10枚のレポートを毎日出してたんですよ。リリイベも毎日あったから、家に帰るのも終電で、1時頃お風呂入って、それからレポートをやってたら朝になって──1ヶ月間くらいほぼ寝てない状態になっちゃって、さすがに体が壊れる音がして。それで、“ちょっと休学したいかも”ってママに言って。ほんとは大学を辞めようと思ったんです、辞めて他の大学に編入して──と。でも看護を諦めたくなかったから1年間休学して。最初は戻れないかな…とも思ったんですよ、戻った時1つ下の子と一緒にできるかな…って。でもそれでやれたらカッコいいなって思って休学っていう手段を選んで、1年休んで大学に復帰しようかな…って思ってます。

── 今、さらっと大学を休学したことをカミングアウトしちゃいましたけど。

兎凪:カミングアウトしました。でも──嫌われないかな…とも思って。大学頑張っててアイドルもやって──というところを好きな人もいると思うから、これを知って嫌われたらどうしよう、怖いなって思いもある。

── それはでも、ZOCのためにそうしたわけですからね。

兎凪:そう、もともとずっと自分の中で悩んでて。やっぱりお昼の時間帯に収録とか多くて、でも大学は月〜金の5時限全部必修だから、3回休むと必修科目の単位が取れないし、1つ落とすと留年なんですよ。だから無理過ぎて、昼の収録出れなくて悔しくて泣くことも多くて。自分のせいでZOCの活動の幅が狭まってるんじゃないか──とも考えて。だったら、今、ZOCが凄くいい時期に休んでZOCだけに専念しよう──と思って。

── IDOL AND READのインタビューの時も<自分は学校に行ってるから練習もちゃんとできずに迷惑をかけてる>みたいなことを言ってて。そういうのも偉いなぁって思ったんですよね。しかも、ZOCってものすごく破天荒なメンバーばかりなので、その中だと兎凪さんっておとなしく見えがちじゃないですか。だからインタビューももうちょっと穏やかな話になると思ったら、今までのZOCのメンバーの中でももしかしたら一番破天荒な、ハチャメチャな人生を送ってきたんじゃないかと思ったんですよね(笑)。

兎凪:ハードボイルドな人生を送ってました。

── 本当にエピソードに事欠かなかった。ほとんどいじめとセクハラの話でしたけど(笑)、いやぁ<ZOCにこの人あり>だなぁって思っちゃいました。で、時間が来ちゃったんで、ZOCに対する意気込みみたいなことを最後に語って終わりにしましょうか。

兎凪:「断捨離彼氏」「イノセンス」も発売されて、ZEPP TOKYOも無事成功することができて、もっともっとZOCが大きくなっていけたらな…と、それと自分自身もっと成長して<ZOCには欠かせないメンバー過ぎるでしょ兎凪さやか>って言われるように頑張りたいと思っているので、みなさん応援よろしくお願いいたします。ありがとうございました(場内大拍手)。

 

この後サイン会が行われた。

『IDOL AND READ 020』のご案内

  • IDOL AND READ 020
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  • IDOL AND READ 020

    A5判 / 224ページ / ¥ 1,320

    読むアイドルマガジン『IDOL AND READ 020』の表紙巻頭は、9月26日にさいたまスーパーアリーナでのワンマンライブを控える日向坂46の二期生、松田好花。
    舞台『七色いんこ』で日向坂46から唯一参加し絶賛されるなど、最近グングンと注目度を増している彼女は、クラシックバレエを15年習っていただけあって所作も優雅で、一見おとやかそうに見えるが、実は「メンタルの強さと度胸はあると思っています」と自己分析するほどの強心の持ち主。何事にもポジティブに笑顔で挑む彼女の生い立ちを2万字インタビューで追いかけました!

    裏表紙はkinoshita。NMB48卒業を機に「木下百花」から改名した「百花」のアーティスト活動名が「kinoshita」だが、なぜこの名前にしたのかを含め、現在の活動状況から、セクシャリティのことや死生観についてまでをぶっちゃけて話していただきました。

    また、AKB48からはチーム4キャプテンの村山彩希が登場。さらに、ラストアイドルの長月翠は、バトルオーディションの審査で彼女を落とし大炎上を起こした吉田豪が初インタビュー。ほか、ZOCの兎凪さやか、悲撃のヒロイン症候群の蒼井叶、二丁目の魁カミングアウトのミキティー本物など、今回も本誌ならではのなんでもありなラインナップでお届けします!

    【CONTENTS】
    松田好花 日向坂46

    kinoshita(木下百花)

    村山彩希 AKB48 Team4

    長月 翠 ラストアイドル(LaLuce、シュークリームロケッツ)

    佐竹のん乃 =LOVE

    鶴見 萌 虹のコンキスタドール

    堀くるみ たこやきレインボー

    兎凪さやか ZOC

    蒼井 叶 悲撃のヒロイン症候群

    南向いずみ BLACKNAZARENE

    ミキティー本物 二丁目の魁カミングアウト

    ライブレポート
    ROCK and IDOL and READ live!!
    (ヘクトウ、ぞんび、じゅじゅ、NECRONOMIDOL、BLACKNAZARENE)

    IDOL AND READ LIVE NEO vol.1
    (ヤなことそっとミュート、SAKA-SAMA、avandoned、棘-おどろ-、LAST IN MY CULT)

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