ギターやドラムなど、音をレコーディングするときにはマイクを設置するわけですが、そういった楽器や声など音が出ているところ(=音源)に向けてマイクを立てることを「マイキング」と言います。このマイキング、かなり奥が深いです。なぜならば、マイクの種類や、設置した位置や角度によって録音された音が変わるからです。位置だけの話で言えば、「オンマイク(=音源の近いところにマイクを設置すること)」でクリアな音を録音してみたり、「オフマイク=(音源から遠いところにマイクを置く)」にして、周りの空気感も合わせて録音してみたり、その楽曲をどのように表現したいのか?を考えつつ、ベストなマイキングをしていきます。
取材や撮影が遠方で行なわれる場合、撮影を行なう前日に出発して、その近辺の宿泊施設に泊まることを「前ノリ」と言います。取材を行なう“前”の日に、現場に“乗り(ノリ)”込むという感じです。
マキシ・シングルとは、短冊型の8cmシングル(昔あったジャケットが長方形のやつですよ)という形がシングルCDのメイン・フォーマットだった時代に、それとは違う新しいシングルとして登場したものです。アルバムと同じサイズの正方形で、8cmシングルに比べて大きい=マキシマムという意味で、それをマキシ・シングルと呼んだのです。じゃあ、アルバムとマキシ・シングルの違いは? 日本の音楽業界では“収録されている楽曲が4曲”までのものを「シングル」、6曲までだったら「ミニ・アルバム」それ以上は「アルバム」、という定義しています。ちなみに、カラオケ、リミックスは収録されていてもカウントされず。CDにオリジナルが4曲、それぞれのカラオケ、リミックスが4曲×2=8曲、計12曲収録されていたとしても、それは「シングル」なのです。…………話が逸れましたが、今となっては短冊型シングルはもう存在しませんので、「マキシ」という呼称、もう取ってもいいような気がしますけどね。
「押し」とは逆で、予定していた時間より早く終わる、もしくは終わらせること。「ケツ」「押し」「巻き」を合わせて「ちょい押し気味ですけど、ケツカッチンなんで巻いて行きましょう!」みたいな感じで使ってみよう。
CDを通して聴くと、それぞれの曲の音量ってだいたい統一されてますよね。あれは、それぞれ別で録音した楽曲を1枚のCDにまとめるときに、全体の音量、音質、音圧を整えているからなんです。その作業が「マスタリング」。CDを制作するときに行なわれる最終行程です。ちなみに、曲と曲の間の数秒が無音になっていたり、流れている曲が終わったらすぐ次の曲が始まるときがありますよね? あの時間もマスタリングで調整しています。
エフェクターが欲しいけど、どれを買えば良いのか分からない! いろいろ種類が欲しいんだけど予算がない! そんなときには、マルチエフェクターを買ってみるのがオススメです。マルチエフェクターには、今まで書いてきたような様々な種類のエフェクトがまとめて入っています。オール・イン・ワンってやつですね。とても便利です。あと便利なもので、エフェクター・メーカーのサイトに行くと実際にエフェクターの音を聴くことができます。試しにいろいろと触ってみるとおもしろいですよ。
バラエティ番組などで耳にする「見切れる」という言葉、実は2つの意味があるんです。ひとつは、写真や画面の中に人物が収まりきらず、はみ出してしまっている状態のこと。もうひとつは、カメラには映ってはいけない道具類や裏方のスタッフが、写真や画面の中に入り込んでしまっているという意味。どういう意味で「見切れる」と言っているのかは、そのシチュエーションにもよるので場合に応じて判断します。あと、後者の「入り込んでしまっている」状態のことは「バレる」とも言いますよ。
キッチン家電を思い浮かべたかもしれませんが、音楽における「ミキサー」とは、ざっくり言うと「音を混ぜる機械」のこと。なので、意味合い的には結構近いですね。たとえば、いろんな楽器が同時に音を出すときに、PAさんが、どの音をどれぐらいの音量で出すのか細かく調整するのですが、そのときに使うのがミキサー。レコーディングやライヴに密着した写真や映像などを見ていると、ツマミがずらーっと並んでいる機械があったりすると思うんですが、あれがミキサーです。ミキサーのサイズは大小さまざまですが、中型~大型のものに関しては「コンソール(操作卓)」や「卓」と呼ばれたりもします。
複数種の音楽ジャンルの要素を混ぜ合わせた音楽の事。この数年の流れはヒップホップとロックの融合が、いろんな形で行なわれてます。ロックのフィールドからヒップホップの方法にアプローチした、一番有名な例はやはりドラゴンアッシュ、でしょうか。新作では更なる重層的なミクスチャーぶりで、ロックに新しいグルーヴを持ち込んでいます。(でも最近は、あまりにジャンル・ミックスが当たり前になって、わざわざ「ミクスチャー」というふうにジャンル分けすることは、あまりありませんけども)
イントロや間奏でお客さんが叫ぶという、こちらもアイドルのライヴでお馴染みのコールです。誰のライヴかによって叫ぶ内容は変わりますが、一般的なのは「おー、よっしゃいくぞー! タイガー! ファイヤー! サイバー! ファイバー! ダイバー! バイバー! ジャージャー!」です。
ミックスダウンは「バラバラに録音されたそれぞれの楽器(=トラック)」を、ステレオの右チャンネルと左チャンネルに振り分けて、ひとつの楽曲にしていく作業のこと。その際に、それぞれの楽器の音量や音質の調整もします。「トラックダウン」も同じ意味です。
実際に試してもらえると分かりやすいのですが、ギターやベースの弦をしっかり押さえずに音を鳴らしてみると、ちゃんと音が出ません。この「ちょっとだけ弦に触れて音を出さない」ことを「ミュート」と言います。例えば、最初に出てきたストロークの場合。ギターでコードストロークをしようと思っても、実はただ全部の弦を弾けばいいっていうわけではないんです! そのコード以外の音が鳴ってしまい、不協和音になってしまうんですね(とはいえ、その不協具合がたまに心地よかったりもするんですけど)。なので、コードを押さえつつも、音を出してはいけない弦にちょっとだけ触れているんです。パッと見た感じは全然分からないんですが、実はそんなことが行なわれているんですよ。
「ムービングライト」とは、光の色や強さや方向をすべてコンピューターで動かすことのできるスポットライトのことで、ロボットアームで灯体自体を動かすヨーク型と、固定された灯体の光のみを制御するミラースキャン型の2種類があります。最近は、ライヴ会場はもちろんのこと、テレビの現場だったり、結婚式場だったり、いろんな場所で使われるようになりました。
「M.M.」は、メトロノーム・メルツェル、もしくはメルツェルズ・メトロノームと読みます。楽譜に「M.M.?=60」と書かれていたら、メトロノームの目盛りを60にあわせて(もしくはそれぐらいの速度で)演奏するということ。ちなみに、メルツェルとは、メトロノームを作ったヨハン・ネポムク・メルツェルの名前から来ています。しかし、メルツェルはメトロノームを改良して、その特許を取った人で、メトロノーム自体はディートリッヒ・ニコラウス・ウィンケルが発明しました。また、メトロノームを初めて使った音楽家は、ベートーヴェンだそうですよ。なお、テンポを表すBPMというものがありますが、M.M.?=60とBPM60は同じ速さです。
ライヴを観ていると、ステージから客席に向かって照明の光がドーン!と力強く照らされて、一瞬ステージが見えなくなることがありますよね。ああいうタイプの照明を、通称「めつぶし」と言います。
ハードコアやパンクのライヴから始まった「踊り」の一種で、オーディエンス同士が勢いよく身体をぶつけあう行為のことです。分かりやすく言うと「激しいおしくらまんじゅう」ですね。また、モッシュが発生している場所のことを「モッシュピット」と言います。モッシュピット近辺は危険なことも多いので、体力に自信のない方はすぐに離れたほうがいいでしょう。
通称:モニター。要するにスピーカーなのですが、いわゆる私達が日常で使うようなスピーカーと、楽曲制作やライヴで使用する「モニター・スピーカー」は別物です。オーディオ関連に付いているリスニング用のスピーカーは、低音や高音を持ち上げたり、音の聴き心地を重視して作られているのですが、モニター・スピーカーは原音が忠実に出るように作られています。