何かを写真に撮ろうと思って、カメラを構えたとします。そのとき、目線の位置にカメラのレンズが来ることが多いですよね。このように、カメラのレンズが目線の高さにある状態のことを「アイレベル」といいます。目線の高さから撮影しているので、一番自然でオーソドックスな感じの写真が撮れます。
例えばアルバムを作ったときに「ものすごく良い曲なんだけど、アルバム全体の雰囲気とちょっと合わないから、今回は収録しないでおこう……」という感じで、録音したけど作品に収録されなかった楽曲のこと。ちなみに雑誌の場合、写真を撮影したときに「この写真めちゃくちゃ良いんだけど、ページ数の都合上載せきれない……」なんていうことが多々あります。それも「アウトテイク」と言います。編集部にはそんなアウトテイク達が大量に眠っています。いつか日の目を浴びることがあるかも! お楽しみにっ!!
写真を撮る場合、撮影対象に向けてカメラのレンズを水平にすることが多いかと。その水平の状態よりも下の位置にカメラを置いて、レンズを上に向けて撮ることを「あおり」と言います。あおることで、写真にちょっと威圧的というか強い印象を与えることができます。
お金に関する言葉です。「あご」(顎)は食べるときに動かすという意味で「食事代」、「あし」(足)は移動するという意味で「交通費」、「まくら」(枕)は寝るときに使うものというところから「宿泊費」のことを言います。たとえば、「あごあし付き」というのは、ギャランティーとは別で、食事代と交通費が支払われるということ。元々は芸人さんの世界で使われていた言葉のようです。
現代の日本の音楽は、基本的にイントロ→Aメロ→Bメロ→サビといった流れで構成されていますが、楽曲によっては、いきなりサビから始まるものもあります。ああいった、曲のど頭にあるサビのことを「頭サビ」といいます。そういった曲のことを「サビ始まり」というときもありますね。
「アタック感のある音」という感じで出てくる言葉ですが、「アタック」とは、音の立ち上がりのこと。たとえばギターは弦を弾くと音が出るわけですが、アタック感のある音というのは、弾いた瞬間に立ち上がってくる音が強いもの、鳴った瞬間にパンチの効いた音がバーン!とくるような感じのもののことをいいます。補足ですが、たとえば、クイズ番組で「問題です!」と出題者が言った後に、♪ジャジャン!みたいな音が出るときがありますが、テレビやラジオの世界では、何かのキッカケで出す効果音のことも「アタック(音)」と呼ばれています。
ギターで音を出すためには、コード(和音)を押さえて、ピックや指で弦を一気にジャカジャカと弾くわけですが、その「弦を一気にジャカジャカと弾く」ことを「ストローク」と言います。そのときに、ピックを上から下におろすのが「ダウンストローク」、逆に下から上にあげることを「アップストローク」と言い、この2つの弾き方に、弦を弾かない「空振り」を組み合わせることでリズムを作り、曲の雰囲気を作り上げます。
ウッド・ベースって知ってますか? ジャズ・バンドなどでデカいコントラバスみたいな楽器を、プレイヤーが垂直に立てて弾いてる楽器、あれがウッド・ベース。音の感じは「ボンボンボボン」みたいな、ね。で、実はウッドベース=コントラバス。クラシックなどでは弓で弾き、ジャズ、ロカビリー、ポップスなどではピチカート奏法といって、いわゆる指で弦をはじいて音を出す。実はあれは同じ楽器なのです。分野で呼称が違うというわけ。他にも「ダブルベース」「アコースティック・ベース」などと呼ばれていて、その呼称のひとつがアップライト・ベース。ですが最近は、エレクトリック・コントラバス・ベースのことを総じて「アップライト・ベース」と呼んでいるようです。ボディがコントラバスより断然細身で長方形。GLAYのJIROがツアー『HIGHCOMMUNICATIONS』の「17ans」や、『X-RATED』の「BLAST」で使用してました。
お芝居の世界で使われる「アドリブ」という言葉。「自由に」という意味ですが、音楽の世界にもアドリブはあります。たとえば「ここはアドリブでよろしく」と言われたら、プレイヤーが即興で自由に演奏をするといった感じ。とはいえ、もちろんルールはあるので好き勝手に弾いていいわけではなく、リハーサルなどで事前に準備することも多いですが、そういった即興演奏のことを「アドリブ演奏」といいます。で、「インプロビゼーション」ですが、多少の違いはあるものの、ぶっちゃけアドリブと同じく即興演奏という意味で使われています。でも、アドリブよりも聞き慣れていないのもあって、インプロビゼーションのほうが、なんとなくかっこいい感じがしますね。略して「インプロ」と言うともっといい感じ!
たまに「CDとアナログ盤を同時リリース」という文字を見かけますよね。「アナログ盤」は、わかりやすく言うと「レコード」のことです。でも、なぜ今アナログ盤を出すのかという疑問もあるかと。そこにはいろんな理由があると思いますが、実はCDなどのデジタル媒体に録音するとき、人間の耳には聴こえない部分の音をカットしているんです。でも、聴こえないとはいえ、身体で感じとることはできるんですね。だから、慣れている人からすると、デジタルだと何かが物足りない……という。そういう意味でもアナログ盤を出そうというアーティストが多いんです。最近は、アナログ盤に収録されている音源を、スマートフォンなどに入れて外で聴きたい人のために、盤を購入するとダウンロード・コードが付いてきて、そこにアクセスすると収録曲をダウンロードできたりもします。
ストロークがギターの弦を一気に弾く奏法ならば、「アルペジオ」は弦を一本一本弾くこと奏法のこと。ストロークの力強い感じに比べて、アルペジオの場合は繊細さや物悲しさなどを表現できます。文字で表わすなら、ストロークがジャカジャカ、アルペジオはポロロ~ンですね。
「今年のサマーアンセムはこれ!」みたいな感じで見かける言葉ですが、アンセムは元々教会音楽のひとつで、礼拝のときに歌われる合唱曲のこと。それが元になって、例えばスポーツだったり(サッカーが有名ですね。「FIFA Anthem」とか)、様々な場面で使われるようになりました。ざっくり言うと、「代表曲」とか「みんなが歌えるぐらい有名な曲」「みんなが歌える曲」みたいなニュアンスで使われていますね。あと「国歌」のことを英語で「ナショナルアンセム」と言います。
アンプとは「アンプリファイア」の略。直訳すると「増幅機」という意味です。これはよく間違えがちなことなのですが、アンプもスピーカーも音を出す機械という印象がありますよね。でも、厳密に言うとこの2つは別物なんです。アンプはその文字の通り、楽器から出た音の信号を増幅させるもので、スピーカーはアンプから届いた信号を音にして外に出すもの。アンプとスピーカーを同じものとして考えてしまうのは、世に出回っているスピーカーの多くが「アンプ内臓型」なことが理由かと思います。
エレキギターやエレキベースを鳴らすために必須になってくるのがアンプ。アンプの種類によって特性が異なっていて、何を選ぶかによって出る音が変わってくるのですが、アンプシミュレーターは、様々なアンプの種類が登録されていて、まるでそのアンプを使って弾いたかのように、音をデジタル処理してくれる機械です。なので、これを1個持っておけば、高価なアンプを何台も持っていることとほぼ同じことになってしまうというわけです。ギターの音が変わるっていうことは、アンプシミュレーターってエフェクターなの?と思う方もいるかもしれませんが、エフェクターは、ギターとアンプだけでは出せない歪みや揺れなどの効果を与えるものなので別物です。
電気を使わない(プラグを通さない)で、生楽器だけで演奏すること。
エレキギターのボディ(正しくはブリッジ)に、細長い金属の棒みたいなものが付いているのを見たことはないでしょうか。あの棒のことをアームというのですが、あれを使った弾き方のことを「アーミング」といいます。アーミングにもいろいろ種類がありまして、アームをレバーみたいに前に倒すことで音程をさげるアームダウン、逆に引っ張り上げることで音程をあげるアームアップ、あとは小刻みに動かして音を揺らすビブラートの3パターンがよく使われています。
ライヴのポスターやフライヤー、もしくはライヴハウスやアーティストのホームページなどでよく見かける文字ですが、「AVD」は「Advance Ticket」の略で、前売り券のこと。「Door」は「At Door」の略で、当日券のことです。どの公演も、前売り券のほうが当日券よりも300~500円ぐらい安く設定されています。
これは「Advertising Video on Demand」の略で、日本語に訳すと「広告型動画配信」。無料で視聴できるかわりに、動画の前後や途中に広告が挟まれる配信サービスのことです。AVODといえばYouTubeが有名ですが、現在は月額定額制(SVOD)のYouTubeプレミアムもスタートしています。
先ほどの「バラシ」とは逆に、元のものをそのまま「生かす/活かす」こと。例)「あの件、イキでお願いします」。ちなみに、雑誌の校正作業(=文章に誤字脱字はないかチェックする作業のことです)でもよく使うこの言葉。例えば「音楽の話しをする」といった具合に、間違っている部分に線を引っ張って「トル」という訂正指示を書くのですが、何も間違っていない場所に線を引っ張ってしまったとき「イキ」「イキママ」もしくは「モトイキ」と書いたりします。まぁ要するに「イキ=そのまんま」ってことです。
イコライザーは、音をいくつかの周波数帯域に分けて、帯域ごとに補正するエフェクト機材のことです。ほとんどのイコライザーは、ボリュームを調整するメモリのようなものが横一列にずらっと並んでいて、左側で低音域を、中央辺りで中音域を、右側で高音域を調整できる造りになっています。最近の再生機器やソフト(iTunesとか)には、だいたいイコライザー機能がついているので、実際に音を流しながらメモリを動かしてみると、楽曲の雰囲気がガラっと変わるのが分かると思いますよ。ぜひ試してみてください!
これも登場方法のひとつです。ステージに斜幕(映像をうつすスクリーンみたいなもの)がかかっていて、場内が暗転するのと同時に映像がスタート。映像が終わって幕が落ちると、メンバーがすでにそこに立っていた! みたいな演出ってありますよね。ああいった「幕が開いたときに、演者がすでに舞台に立っている状態」のことを「板付き」と言います。
楽曲をレコーディングするときは、ドラム→ベース→ギター→ヴォーカルの順に、それぞれをパートごとに分けて別々に録音して行くことがほとんどですが、複数の楽器を同時にレコーディングする方法のことを「一発録り」と言います。ライヴやスタジオで演奏するように、全員で一緒にやったほうがノリやグルーヴが出しやすいということで、楽曲の基本となるリズムパート(ドラムとベース、場合によってはリズムギターも含む)を、この方法で録ることは多いですね。
「入り時間」や「○時入り」といった感じで使われるこの言葉。「入り」とは、会場や撮影など、「現場に入る」という意味です。例)「明日は15時入りでお願いします」。
たとえば、ロックバンドのミュージックビデオを観ていると、メインとしてバンド全員が演奏しているシーンがあって、その途中で楽器を演奏している手元や顔のアップとか、演奏シーンとはまったく関係のない場面が出てくることがありますよね。ああいったメインの映像に別の映像を差し込むことを「インサート」と言います。
「インスト」とは、インストゥルメンタルの略。楽器のことを英語で「instrumental」と言うのですが、そこから「ヴォーカルが入っておらず、楽器のみで演奏する曲」のことを、「インスト」と呼びます。ただ、ひとつだけご注意を。CDを買うと、タイトルの後ろに「instrumental」と付いている、ヴォーカルが入っていない状態の楽曲が収録されていることが、たまにありますよね。あれは、インストというよりは、従来の曲からヴォーカルを除いた「インストバージョン」であって、正しくは「インスト」ではありません。インストバージョン(要するに「カラオケ」)の楽曲に関しては、「オフヴォーカル」とか「バッキングトラック」と呼ばれることもあります。
ライヴやコンベンションなど、何かイベントごとがあるときに主催者から届く招待状のことを、インビテーションカードと言います。ただ、そのままだと長いので、大抵「インビ」と略して呼ばれます。
EDMとは、「Electronic Dance Music」の略で、直訳すると「電子の踊る音楽」。要するに、シンセサイザーなどを使ったダンスミュージックのことです。なので、言ってしまえば、テクノとかハウスとか、そういうタイプの音楽は全部EDMなわけですね。ただ、ここ数年、世界中で大ブームになっている「EDM」と呼ばれる音楽は、「踊る」という部分をより強調させたもの──たとえば、ビートが強かったり、トランス系の派手な音が使われているダンスミュージックのことが、そう呼ばれています。
アドビシステムズが販売してるDTPソフト。ページをレイアウトするアプリケーションですね。今まで本誌はillustrator(イラストレーター)というソフトで作っていたのですが(その前はQuark(クオーク)、もっと前は版下!)、リニューアルと共に移行! デジタル社会の進化に日々勉強っす。
本誌で登場する場合は、取材などをする前、カメラマンとは写真の方向性、ライターとはインタビューの内容を、前もって相談しておくこと。ここで出た全体の取材案をもって、事務所/レコード・メーカー、果てはアーティスト本人とさらなる打ち合わせを行ないます。
コンピューターを使って出している音(いわゆる電子音)のことを「打ち込み」と言いますが、コンピューターを使って作曲をすること、ひいてはコンピューターそのもののことも「打ち込み」と言うことがあります(例:デモは打ち込みで作りました)。打ち込みをするときにはDAWというソフトを使うのですが、楽器で弾いたリフを取り込んだり、自分の中で思い浮かんでいるメロディを打ち込んでからアレンジを詰めていったり、何も思い浮かんでいない状態から音やリズムパターンをとりあえず決めて膨らませていったりと、その流れは様々です。
「撮影中だから静かにしろ!」という意味で言われるかもしれませんが(まあ、よっぽど騒いでいない限り、言われないかとは思いますけど……)、周りが静まり返っているのに「うるさい」という言葉が出た場合、それは撮影しようと思っている被写体以外の余計なものが入ってしまっているということ。先ほどの「見切れる」でいえば、後者の「何かが入り込んでしまっている」状態のときのことです。
曲によっては、いわゆるBメロがなくて、Aメロの後にサビが来る曲もありますよね。ああいう曲構成のことを「ヴァース・コーラス形式」といいます。ヴァース=Aメロ、コーラス=サビという感じで、洋楽はこの形式が一般的ですね。とはいえ、洋楽でも日本でいうA→B→サビという形式もあり、Bメロにあたるパートのことを、ブリッジとかプレコーラスと呼んだりします。
ヴォイス・トレーニングの略。そのままですが、ヴォーカリストが行なう発声の練習。これによって表現力が格段に上昇するみたいです。
まず、フロアのお客さんが上手と下手にそれぞれわかれて、真ん中にスペースを作ります。そして、合図にあわせて全員がそのスペースめがけて走り出し、フロアの中央で身体をぶつけあうというのが「ウォール・オブ・デス」です。直訳すると「死の壁」という物騒な名前からして十分におわかりかと思いますが、こちらもかなり危険です。体力に自信がない方、自信があっても疲れて体力が少なくなっているときは、発生したらすぐさま離れるようにしましょう。
WAVとは、音楽をはじめとした音声データのファイル形式のこと。ウェーブ、ウェブ、ワブと呼ばれています。WAVは音を圧縮していないため、データの容量は大きくなりますが、高音質の状態でファイルを保管しておくことができます。
映像を撮影するときに、そのシーンをどういうアングルで撮るか、映っている人がどういう動きをするのか、といったことを監督が事前に決めておきます。で、監督が撮影したい場面をイラストにしたものが「絵コンテ」です。絵コンテには場面のイラストのみでなく、セリフや小道具などについても書いてあって、そのカットがどういうシーンなのかが見ればすぐ分かるようになっています。たいていの場合は1カットをひとつのイラストで表わすことが多いのですが、1カットの中でさまざまな動きがある場合は、そのイラストの数もどんどん増えていきます。ちなみにコンテとは、連続や継続という意味の「Continuity」からきていますが、海外では絵コンテのことを「ストーリーボード」と言います。
ライヴに行ったとき、曲の間奏だったり、アウトロだったりで、ギターソロや、同じフレーズをループして演奏するなど、CDに入っているバージョンよりも長く曲を演奏する場面を見かけたことはありませんか? あの場面のことを「エックスタイム」と呼びます。エックスタイムは、お客さんが盛り上がっていたらもうちょっと長くしよう、逆に、まぁまぁの盛り上がったら早めに切り上げようといった感じで、その場の雰囲気で長さを調節します。要するに「その場面で演奏する小節数を、仮にXとする=エックスタイム」というわけです。ちょっと数学っぽいニュアンスですね。
エフェクターとは、音を変える機材のこと。音を歪ませる「ディストーション」や「オーバードライブ」、やまびこのような残響音を出す「ディレイ」や「リバーブ」など、様々な種類があります。いろんなエフェクトをかけていくことによって、楽曲に合った音を作り上げたり、そこでその人の個性が出たりと、かなり奥が深いです。エフェクターメーカーのサイトに行くと実際に音を聴くことができるので、覗いてみると楽しいですよ。
ロックとエレクトロミュージックの融合は昔から行なわれてきましたが、最近のトレンドになってきているのが、この「エレクトロニコア」。英語で書くと「Electoronicore」です。これは攻撃的なハードコア/メタルコアと、EDM系の派手なエレクトロサウンドをミックスさせたラウドミュージックのこと。先ほど説明しました「ダブステップ」も、積極的に取り入れられています。あと、電子音がピコピコしている感じから、日本では「ピコリーモ」と呼ばれることもありますね。
「エモい」とは、英語で「感情的」という意味の「Emotional」の頭3文字=Emoに、状態を表す形容詞の「い」をつけた言葉。元々「エモ」という音楽ジャンルが語源にはあるのですが、使い方としては、気持ちが激しく高揚したり、怒りや悲しみなどで感情が揺さぶられたりしたときに、「エモい」と言えば、ほぼ大丈夫かと思います。
演奏記号とは、楽譜(五線譜)において、音符や休符といった基本的なもの以外を指示する記号のこと。演奏記号が登場したのは16、17世紀ごろと言われているのですが、なぜ生まれたのかというと、作曲と演奏の分業化が進んだからと言われています。作曲者が自作の音楽を演奏するぶんには問題ないのですが、作曲者以外の人がその音楽を演奏する場合、楽譜があるとはいえ、ただ音符が並んでいるだけでは、それをどれくらいの強さや速さで弾くのかといった細かいニュアンスがわからないですよね。そういった曲に込められた作曲者の意図を、演奏者に正しく伝えるために生まれたのが演奏記号です。演奏記号を大きく分けると、強弱記号、速度記号、発想記号などがあります。
アーティストを発掘し、売り出しのトータル・ビジョンを創り出すプロデューサー的役割の人を「A&R」といいます。「アーティスト&レパートリー」の略で、アーティストの総合的なケアと、彼らがどんなレパートリー(楽曲群)を持ち、どんな形でそれを世間に出せば、より多くのリスナーを獲得することができるかをプランニングする、いわばマネージャー的なスタンスの制作ディレクターと言えます。CDというパッケージ商品の制作全体に携わるプロデューサーがA&R担当者で、全体の舵取りをし、CDに録音される音楽の方は、ブックレットなどにクレジットされている、いわゆる「プロデューサー」が行なう……この二本の柱が、アーティストの活動を支えているのです。、要するにラッパーのこと、です。
AORとは「Adult Oriented Rock」の略で、「大人向けのロック」という意味。1970年代後半から使われ始めた言葉であり、音楽ジャンルです。サウンドの傾向をざっくりと言うと、都会的でオシャレという感じでしょうか。元々、ロックは若者のために生まれた音楽だったのですが、若い頃はよかったけど、自分も歳を取ってしまったし、最近のロックはちょっと……と思っていた人たちに、この音楽は大人のあなたでも大丈夫!といった感じで紹介されていました。日本ではシティポップブームと共に再評価が始まりましたが、アメリカのラッパーであるタイラー・ザ・クリエイターが山下達郎の楽曲をサンプリングするなど、海外においても70~80年代に活躍した日本のAORアーティストへの注目が高まってきています。ちなみに、AORには「Album Oriented Rock」という意味もあります。これはシングルではなく、アルバム全体で聴かせるスタイルを取っているアーティストや作品のことで、アメリカではこの意味で使われています。アメリカにおいて、日本のAOR的な音楽のことは、アダルト・コンテンポラリー・ミュージック(AC)と呼ばれています。
これもPPVのひとつで「Electric Sell Through」の略。日本では「視聴権販売型動画配信」と言われたりもしますが、要は「ダウンロード購入」のことです。たとえば、Amazon Prime Videoは、3つのサービスが用意されていて、定額制見放題(SVOD)でもありますが、最新作はレンタル形式(TVOD)になっていたり、購入できたり(EST)します。
MASTER OF CEREMONY(マスター・オブ・セレモニー)の略。司会進行者のこと。ライヴ中のMCというのは、曲と曲の間に、次の展開の準備をしたりするために、ヴォーカリストなどが近況を話したりする、喋りの事ですが、要は、ライヴの司会/進行、だということなのです。ちなみにヒップホップにおけるMCは、MICROPHONE CONTROLLER(マイクロフォン・コントローラー)の略。マイクさばきをする人、要するにラッパーのこと、です。
懐かしい!と思う方も多いでしょう。MDとは「Mini Disc」の略で、1992年に製品化されました。それまで音楽を録音するメディアとして主流だったのはカセットテープ(コンパクトカセット)でしたが、これは便利だ!ということで、そのポジションに新たに登場したのがMD。なにがカセットと違って便利だったのかというと、録音した後に、曲順を入れ替えたり、曲同士を分けたりくっつけたり、曲を消したりするのをボタン操作で簡単にできるようになったところ。あとは、トラックデータに文字を入力することもできたりもしました。それと、たとえばCDを録音するときに、カセットテープは磁気テープに記録していたのですが、MDは光磁気ディスクに記録するので音質の劣化も少ないし、サイズ的にもだいたいCDケースの4分の1ぐらいだったので、カセットテープよりも場所を取らなかった、というのもあるかと。アーティストサイドもCDと同時にMDで作品をリリースすることもありました。一時代を築いたMDでしたが、現在は生産が終了しています。
MTRとは、マルチ・トラック・レコーダーのこと。たとえば、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムをそれぞれ録音したものを各チャンネルに振り分けて、同時に再生することができる機械です。なので、MTRがあれば、スタジオに行かなくても簡易的なレコーディングができてしまうというわけですね。最近は、自宅で楽曲を作るとなるとDTMが主流になってきていますが、一昔前まではこのMTRを使って行なうことがほとんどでした。
ライヴ会場で、開演前/終演後に流れている音楽。メンバーが、その時々のフェイバリットなもの選曲したり、ライヴのコンセプトに合わせたりと、様々な理由で流しています。また、メンバーがステージに登場するときに流れる「オープニングSE」は、ライヴによって変えたり、そのバンドの定番のものがあったりと様々。最新アルバムの1曲目がインストものだったりすると、そのレコ発ツアーではその曲が流れることも多いですね。
リズムに合わせて「オイ! オイ!」と声を出すこと。最近はどのジャンルでも見かけますが、主に曲のイントロや間奏で登場する場面が多いですかね。
最後のサビを盛り上げるために、それまで曲中に出てこなかったメロディが組み込まれたりするのですが、そのメロディのことを「大サビ」と言います。だいたいは2番のサビの後だったり、もしくは、2番のサビが終わった後に間奏があって、その次に来たりもします。大サビのことをCメロ(サビをCメロとした場合はDメロ)と呼ぶこともありますね。これがあることで曲がかなりドラマチックになりますし、歌詞においてはその曲に込められたメッセージが強く表われていることもちょくちょくあります。ただ、単純に曲の一番最後でドーン!と盛り上がっているサビのことを「大サビ」と言う場合もあるので、もしインタビューなどで出てきた場合、どちらの意味で話しているのかは、前後の内容で判断する感じでお願いします。
楽曲を聴いていて、例えば、ギターがジャカジャカ鳴っているんだけど、ヴォーカルのメロディが途切れた瞬間に、たまにちょっと難しめというか、耳を引くフレーズが入っているのを聴いたことありませんか? もしくはドラムがリズムを刻んでいる途中で、同じくメロディがなくなったときに、刻んでいたリズムとは違ったフレーズを叩いていたりとか。そういう、基本の演奏をしつつも、ヴォーカルの邪魔にならないように入れるフレーズのことを、ギターやベースでは「オブリガード」、ドラムでは「フィルイン」といいます。で、そういったフレーズの俗称として呼ばれているのが「オカズ」。オカズを聴くと、その人のプレイヤーとしてのセンスやスキルが分かるので、みんなかなり真剣に考えてます。是非とも耳をすませて聴いてみてください!
ライヴや取材が、予定していた時間を過ぎる(遅れる)こと。ちょっと焦ります。例)「今日の開演10分押しでーす!」。ちなみに、定刻通りに始まるのは「オンタイム」。
音楽を聴いていて、サビはサビでも、周りの音が静かになって、ヴォーカルのメロディだけがものすごく目立っているサビってありますよね。ラストに向けてグワ~っと盛り上がっていくために、ちょっと抑えめにするというか。ああいった、他の楽器の音を極端に落として、メロディを目立たせるサビのことを「落ちサビ」といいます。
読み方は「おとせん」。「おとさき」と言うこともあります。音先とは、演者が舞台に登場する仕方のひとつで、会場の電気が暗くなって(=暗転して)、SEなどの音が鳴ってから、演者がステージに出てくるという登場の仕方のこと。要するに、演者がステージに出るよりも「先に音を流す」ということです。イベントライヴやフェスの場合は、音先がほとんどですね。
「十八番」は、その人にとって得意な芸や技のこと。「おはこ」と読みます。語源としては、江戸中期に歌舞伎の七代目市川團十郎が、先代達が得意としていた演目を18種選び、その台本を箱に入れて大切に保管していたことから、こう呼ばれるようになったという説が有名ですが、諸説いろいろあるそうです。なにかの2次会でカラオケへ行ったときのためにも、1曲ぐらいは「十八番」を持っていたほうがいいかもしれませんね。
芸能・音楽業界は昼夜関係なく働いている人が多いので、午後帯であろうが夜であろうが、誰かに会ったときは「おはようございます」と挨拶します。でも、夜なのに「おはようございます」は、なんかちょっと気持ちが悪いなと思ってしまうところ。そのときは「おつかれさまです」と言う場合もあります。最近は業界だけでなく、早朝から深夜まで稼働している職種の場合、挨拶が「おはようございます」になることもありますね。
CDの背の部分についているアーティスト名とか作品名が書かれている紙、ありますよね? あれのことを「帯」と言います。あれ、邪魔なんだよねぇ……と思う方、実は帯ってすごく大事なんですよ。例えば、ジャケットをアートな感じにしたいんだけど、そこに名前をデカデカと載せるとちょっとデザインを損ねてしまう。そういうときに、帯に名前を書いておくことで、ジャケットはアート性を保てるし、お店で並んでいてもちゃんと名前が目立つようにできるわけです。ちなみに、CDに帯を付けている国は日本ぐらいで、他の国にはほぼありません。
ギターやベースの奏法のひとつで、一本の弦を上から下に弾き、そのまま下から上に弦を弾く……という弾き方。前述のアルペジオはこの弾き方をよく使います。よくある「速弾き」は、このオルタネイト・ピッキングをめちゃくちゃ速くしたものです。
マイクには指向性というものがあって、音を拾うことができる範囲が決まっています。指向性はマイクの種類によって変わってくるのですが、「オンマイク」とは音が出ている場所(=音源)から近い場所にマイクがある、もしくは、音源がマイクの指向性の範囲内にあることを言います。「オフマイク」はその逆で、音源から遠い場所にマイクがある、もしくは、音源がマイクの指向性の範囲から外れてしまっていることを言います。例をあげると、ライブで全曲終った後、最後に演者が「今日は来てくれて」とマイクを使って言った後に、マイクを下におろして「どうもありがとうございました!」みたいな感じで、感謝の気持ちを叫ぶという場面がたまにありますよね。あのときの、「今日は来てくれて」がオンマイクで、「どうもありがとうございました!」がオフマイクということです。
「ライヴでしか聴けなかったあの曲が、待望の音源化!」といった感じで、よく出てくるこの言葉。この「音源」というのは、「レコーディングされて、手に取れる形になった楽曲」のこと。ざっくり言うと、CDのことです。
西洋音楽において、音楽は「リズム」「メロディ」「ハーモニー」の3つからできている、と考えられています。もちろん、例外も多々あるのですが、基本的にはこの考え方が根本にあった上で、音楽は長い時間をかけ、様々な変化や発展してきました。
ものすごくザックリ言うと、そのフェスやイベントの「主催者」のことです。元々は裏方のお仕事でしたが、最近はバンドやアーティストが主催する=オーガナイズするイベントも増えてきました。
主にクラシック音楽を演奏する楽団のこと。日本語では「管弦楽団」と言います。演奏する楽曲や、指揮者によって人数や使用する楽器が変わるのですが、基本的には、弦楽器(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)、木管楽器(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット)、金管楽器(ホルン、トランペット、トロンボーン、チューバ)、打楽器(ティンパニー、トライアングル、シンバル、木琴、マリンバなど)、編入楽器(ハープ、ピアノなど)で構成されています。
英語で書くと「audience」。「聴衆」という意味です。要するに、ライヴやコンサートに来たお客さんのことですね。
テレビ番組や映画を観ていると、最初に映っていた場面と重なるように違う映像がぼんやりと浮き出てきて、それがちょっとずつ鮮明になっていくと同時に最初の場面が消えていき、別の場面に切り替わる……みたいなやつがありますよね。あれは映像を編集するときにそういった効果をいれているんですが、最初の画面をフェードアウトさせながら、次の画面をフェードインさせる画面転換のことを「オーバーラップ」といいます。最近は「ディゾルブ」とも言われてますね。
イベントでよく見かけるアルファベット2文字ですが、これは「Opening Act=オープニング・アクト」の略。イベントの最初に出演する人のことです。開演してから一番手として登場する場合もありますし、開場中、お客さんがホールやフロアに入場してくるときに演奏する場合もあります。