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BLUE ENCOUNT

1stフル・アルバム『≒(ニアリーイコール)』に込められた真実

2015年に突入して以降、「もっと光を」や「DAY×DAY」といった強力な
キラー・チューンを立て続けに発表してきた4人。
しかし、これらのシングル曲に続いて発表された彼らにとって初のフル・アルバム『≒』には、さらに熱く、激しく、
しかも多彩な全11曲がとてつもない熱量で詰め込まれていたのだ。
ここでは本作に至るまでの軌跡を振り返ってもらおう。
また、本インタビューと連動したGiGS9月号のBLUE ENCOUNT特集では、アルバムの1曲目を飾る
「KICKASS」のギター奏法について田邊と江口が1曲丸ごと解説しているので、併せて堪能してもらいたい。


Text/KYOSUKE TSUCHIYA

全部の振り幅が、ちゃんと自分たちと向き合えた結果、活きたんです
——前回の取材(本誌7月号)の際、田邊くんが「暑苦しいアルバムができちゃった」と話していましたが、実際に聴かせていただいたら、まさにその通りで(笑)。メンバー自身も相当な手応えがあったと思うんですよ。
田邊:完成してみての手応えは、もう満場一致で「最高傑作!」でしたね。僕らがこんなに自分たちの曲を愛せたのも初めてなんですよ。これまでの作品に関して言うと、何かちょっと噛み砕く、飲み込まないといけないところがあったんですね。
——それは聴き手が楽曲を、ということですか?
田邊:いや、自分たちが、ですね。それこそプレイ的なものもありますし、個々のリフの作り方とか、メロディー・ワークとか“もうちょっとあれは上手いことできたな”“いいことを言えたな”ってすごく思うんですよ。でもね、今回はもう言うことがないんです。何も後悔がない。それぐらい限界と立ち向かえた感覚があるんですね。実力以上のものに背伸びすることもなく、自分たちのキャパシティー、表面張力ギリギリのものを、すべてこの11曲に表せたなぁって。レコーディングが終わってから1ヶ月以上経ちましたけど、これ以上のものはこのアルバムには必要ないと思えますし、もちろん、キャパシティー以下のものを入れたつもりもない。僕らの等身大のものが全部入っているからこそ、咀嚼する必要がなかったんですよ。肌の上にポッと置いたら、シュッと全部が皮膚から浸透していくようなアルバムになった。僕らも未だに毎日聴いてるぐらいですからね。
江口:そう、何かびっくりするんですよね、こんなにも長く自分たちの音源を聴けるんだって。そもそも4人とも、わりとどんどん新しいものを聴いていきたいみたいな感じなので、日頃からいろんな音楽を聴き漁ってはいるんですけど、結局、戻ってくるところが、この『≒』というアルバムなんです。
高村:“早く聴きたい!”って思っちゃうんです。僕は電車に乗るときによく聴くんですけど、電車に乗るのが楽しみになってて(笑)。座って、イヤフォンを挿して、流したときの感動が未だにあるんですよね。聴いててすごく気持ちいい。
田邊:手応えってこういうことなのかと思いましたね。でも、その裏に制作期間の大変さはすごくあったので。今回は人生で初めてのフル・アルバムなんですよね。それと立ち向かったときに、こんなにもフルって大変なんだなと思ったんですよ。今までは6〜7曲の作品を作ってきましたけど、やっぱり、そこが得意だったんですよね。長尺のライブってワンマン・ツアーしかないし、逆に言うと、フェスとかだと僕らは若手なので、30分とかのセットリストで出させていただくことになる。とすると、そこが勝負なんですよ。いかに30分で掴むか。そういった意味でも、BLUE ENCOUNTの生き方的にも、曲数が少ない中でいかにやるかというのが僕らだったんですけど、こうしてフル・アルバムを作る機会を与えていただいた。つまり、今回は11曲という世界で、いかに休ませる暇もなく、休む間もなく最後までいくかというのが勝負だったんですよね。
 でも、昨年の12月に制作の話になったとき、最初は10曲入りのアルバムにしましょうという感じになって、既存の4曲を含めて候補曲が10曲、パッと出たんですよ。それに基づいて、今年の4月末までには全部作業を終わらせられるように工程的には余裕を持って始まって、誰しもが「めっちゃいいアルバムになりますよ」って話もしてて。1〜2月の段階で、「HEEEY!」と「TAKEN」と「JUMP」が出来上がったわけなんですけど、その時点で既存の4曲と合わせて7曲ですよね。あと3曲を用意すればいいわけですから、ほぼほぼアルバムの輪郭って見えてくるじゃないですか。さっきも言ったように、ミニ・アルバムをいっぱい作ってきたので、さすがにこの7曲で答えが出るだろうと思ってたんですよ。ところが…そこで僕の中でちょっと疑問が浮かんできたんですよ。このままじゃ面白くねぇと。今、キレイに言いましたけど、“クソつまんねぇ!”って思ったんですよ(笑)。
——単純に過去のミニ・アルバムと同等のボリュームと考えれば、数としては十分のはずですよね。
田邊:そうなんですよ。でも、出てきた答えが“クソつまんねぇ”ってことで…。3月に入って、たまたまスタッフとメンバーがいたときに爆発したんですよ、溜まってたフラストレーションが。何となく騙し騙しで、残りの3曲も入れたらいいアルバムになるなと思いながらきてたんですけど、いよいよどうしようもなく飲み込めなくなってきて、ある日突然「面白くないです」っていきなり言い出しまして。
——残りのあの3曲じゃないだろうと?
田邊:というか、「もう、この7曲も面白くないです」と(笑)。「田邊、今、毎日がつまらないです」って言い出しまして(笑)。
江口:急にですよ、何の脈絡もなく(笑)。
田邊:そう(笑)。それまでメンバーと喧嘩してたわけじゃないですし、リハーサルも上手いことやってたんです。だけど、いきなり僕、田邊がふてくされ始めたんですよね。「毎日がつまらないです。何をやっても面白くないです」と。それこそ「DAY×DAY」の制作のときにぶち当たった、曲が浮かばないという壁とは違うものだったんですよ。こんなにも自信満々で用意した曲たちが、なんでこんなにクソつまんねぇんだっていう自分への怒りもありながら、その状況を打破できない感覚というか…メンバーに対しても、スタッフに対しても、何か言いようのない不満みたいなものが出てくるし。ただの輩ですよね、駄々をこねてるだけの。謂れのない言いがかりみたいなことを、僕も言うようになってしまいまして。単純に上手くアルバムが作れていない上に、5月に発売を控えていた「DAY×DAY」も売れないんじゃないかみたいな思いも出てきたり、1人でテンパッてたんですよ。その頃はホントに悪口というか愚痴ばっかりで。
辻村:うん、吐いてたね。
田邊:それでみんなが凹んじゃってね。
辻村:もちろん、俺ら3人もいいと思って制作に取り掛かってたんですよ。だけど、いきなり人が変わったかのように田邊がそんな風になって(笑)。
田邊:ホント、何かに取り憑かれたかのようにね(笑)。
辻村:そう。だから“え!? ”って思ったし、最初は言ってることが全然分からなかったんですよ。でも、「単純にテンションが上がらないよね」って言われたときに、なるほどと思ったんですよ。確かに“いい”とは思うんですけど、もうひと押し足りないなと思って…。
田邊:てっきり、マネージャーさんかメンバーが、「ふざけんなよ、いいアルバムだよ!」って言ってくれるかなと思ったんですね。だから、僕もぶん殴られるかなぐらいの覚悟で言ったんですよ。そうしたらみんな「かもね」となり(笑)、“もっとカッコ良くなるよね”と思い始めたんです。その日を境に僕も嘘みたいに毒味が抜けて、そこから作り始めたのが、「LIVER」だったんですね。12月の時点で10曲入れようと言っていた候補曲の1つが、「LIVER」のサビが入った曲だったんですけど、構成とかがあまりにも単調すぎたんです。まずはこれを何かカッコいい曲に変えようというのがキーワードになって、サビはすごくいいので、あとはどれだけセオリーとかを無視するかってことで、あの間奏になったんですよね。
——アホかっていうぐらいの派手な間奏ですよね(笑)。
田邊:そう、アホかっていうぐらいの(笑)。言ってみれば、ライブ・キッズが好きな、BLUE ENCOUNTの中でも初めてこんなにも速めの4つ打ちの曲になってたんですけど、それがむず痒くて。で、何なら全部ブラストビートでいこうよぐらいの感じもあったんですけど、さすがにこの速さでやったら高村が死んでしまうので(笑)、そこはあえてBLUE ENCOUNTらしさを残すということで、ツービートの一番速い限界に挑戦しようという風になったんです。最初はそれとセパレートして間奏を考えたんですね。そうしたらそこの部分はすごく早くできたんですよ。辻村にもゴリゴリのミクスチャー感を出してもらったりして。ところが、それを(曲本編と)どう繋げて戻すかというところになったときに、めちゃくちゃ考えちゃって。BLUE ENCOUNTの場合、1曲のアレンジはだいたい2〜3時間あればできるんですけど、初めて次の日に持ち越したっていう。それこそ、最初は辻村のベースもエフェクターを全部踏んで、グワオグワオってなって…。
江口:ハンパねぇカオスでしたね(笑)。
田邊:それはあまりにもやりすぎたから、Bメロ終わりで、よっちゃん(高村)がキックで心臓の音みたいなのを表現して…。
高村:それでだんだん速くなっていく、みたいな。
田邊:それからまたいろいろやってみたんだけど、結果、浮かんでこず…。
江口:そこまで作って、1回持ち帰ったんです。
高村:これはいいのか悪いのか、判断がつかないよねって。
田邊:BLUE ENCOUNTが完全にラビリンスに迷い込んで(笑)。でも、1日空けて、僕が頭を冷やして考えた答えがめっちゃシンプルだったんですよね。江口のピーという音を、心電図的に心拍が止まったような感じにして、そこから息を吹き返したかのようにやろうよって。そこから今のようなキレイな形、これはヤバいなって思えるものになったんですね。とにかく田邊が毒を出し切って、今までの流れに逆らおうとした結果、生まれてきたことばっかりでしたし、そこに直面しないとできなかったことだと思うんですよ。BLUE ENCOUNTが1つ壁を乗り越えて出た全部のリフが「LIVER」には集約されてますね。そんな曲だったからこそ、歌詞もキッズへのアンセムというか、ライブに対する恩返しといった意味も込めて作れたんです。
 この曲が出来上がって、僕、もうめちゃくちゃ開花したんですよ。ランナーズ・ハイ状態というか。当初は4年間温めていたバラードもあったんですよ。だけど、温めすぎてふやけてしまったので、それも捨てまして、昨年、プリプロまで終わらせていて、これは絶対に大事なときにやろうと言っていたバラードをもう一回呼び起こしたんです。すごくはばかられましたけどね、このタイミングで出すのは大丈夫なのかって。でも、ここしかないですと、いろんなものと闘ってここに出てきたのが「EVE」なんです。
 じゃあ、残り1曲はどうするかと考えたときに、ライブの1曲目にもできる、それこそアルバムの1曲目に持ってこられるものを作ろうと。それは何かとなったときに、BLUE ENCOUNTは改めて、今までのエモの流れをもう1回作らなきゃいけないと思ったんですね。「JUST AWAKE」っていう、フェスとかでも1曲目にやる代表曲やPVがめっちゃ回った「HALO」を超えるものを生み出そうと。だから、ゼロの状態から作り始めたんですけど…まぁ、エモの曲ほど、速い曲ほど、突き刺さるワード、センテンスが必要で。こういう曲を作るのがあまりに久々すぎたし、その頃は「もっと光を」や「DAY×DAY」みたいな、言葉にもマッチした、すごくロックなナンバーでやってたから、なおさら難しかったんですよ。“JUST AWAKE!”とか“SAY GOOD BYE”って言葉のように、シンプルでバッチリ射抜くにはどうしたらいいのか。考えれば考えるほど、全然浮かばなくなっていったんです。
——鍵になる言葉だけでなく、曲そのものも浮かんでこなくなったんですか?
田邊:そうなんですよ。僕は“これは超えられる”と思いながら、日々作り続けてたんですけど、このままこればっかり考えていたら、また「DAY×DAY」のときのように、一旦曲を作るのをやめちゃうだろうなとも思ってて。そんなときでしたね。今回はタイアップの曲でもないし、あえて言うなら、ちゃんと時間ももらっていたので、ちょっとお休みして、頭の体操として、あえて真逆のポップなものを作ってみようかなと思ってできた曲がすごく良くて。それが「SMILE」だったんですよ。メンバーとかにも聴かせたら、(収録曲数は)10曲って決めてたけど、そういうことも関係なく、チーム一致で「入れよう!」ってことになったんですよね。
 これはBLUE ENCOUNTの中でも挑戦の1つで、言うなれば、「MEMENTO」ではすごくジャンルレスなことをやって、「もっと光を」で直球のロックをやり、「DAY×DAY」は、みんなが聴いてくれるさらにロックな曲になった。その中で「SMILE」という曲は、久々にBLUE ENCOUNTができたポップスだったんですよね。リフレインするような言葉は一切使ってなくて、あえて歌謡曲な感じで作れた。ただね、この曲を入れることで、逆にBLUE ENCOUNTが築き上げてきたイメージを壊してしまうんじゃないかなって考えも頭をよぎったんです。でも、待てよと。それこそがBLUE ENCOUNTだろと。だからこそこのアルバムが、「もっと光を」に向けて締まるようになったと思うんですね。
 この時点で、11曲入りで間違いないなと思えたんですが、まだ1曲目は浮かんでこなかったんで、これはヤバいなと。もう1週間後にレコーディングっていう時期でしたからね。それで急遽メンバーにヘルプを求めまして。「みんなが思う、これはテンションが上がる、俺はこのワードが好きだっていう英単語を1日1人、最低5個送ってください」と(笑)。そうしたらみんな1日5個以上のものを送ってくれて…。
——ホントにちゃんと返ってきたんですね(笑)。
田邊:はい(笑)。だから、しばらく僕のLINEのタイムライン上は、もう受験生みたいに英単語が並ぶことになったんですけど(笑)。でも、みんなが最初の日に送ってきた5個ずつのワードの中で共通して入っていたのが、“KICKASS”だったんですよ。
——えぇ!? そんなことがあるんですか?
江口:別に打合せとかをしたわけじゃないんですけど、僕もいろんな単語を調べている中で、たまたま“KICKASS”という言葉が引っかかって。
田邊:スラングですけどね、汚い言葉ではあるんですけど。
江口:うん。すごくパンチもあるし、言葉の力も強いから、これは何かいけるんじゃないかなって。それが奇跡的にみんな一緒だったっていう。
——いや、奇跡的って簡単に言いますが、こんな言葉が全員から揃って出てくることなんて、どう考えてもないですよ(笑)。
田邊:狙ってもこんな言葉は出てこないですからね。その後もみんないっぱい送ってきてくれましたけど、僕の中では、もう“KICKASS”以外は響かない状態になってて(笑)。そこからあえてメロディーは作らずに、自分の中で“KICKASS”という言葉だけを信じて、ずっとインスピレーションを広げていって、数日後、別の曲のレコーディングの休憩中にバーっとアコギを持って鳴らしてみたら、このサビが出てきたんです。それをそのままメンバーに聴かせたら、「うぉ! これだ!」となって、一気に動き出したんですよね。それこそライブの打ち上げ後にもスタジオに入って、地方に行ったときにもスタジオをとって、とにかくその勢いのまま一気に作って、作って、作って、プリプロをやって、そのままレコーディングみたいな。短期間で集中して取り組んだこともあって、全員の引き出しをフル導入した感じでしたね。なのに、BLUE ENCOUNTの今までっぽくない。それこそBメロのスリリングな感じとかね。これをもう1回やれと言われても無理っていうぐらいですよ(笑)。ただ、情報量も多いですけど、それがちゃんとサビの“KICKASS”って言葉に集約できてる。バランスのとれた作品にはなったし、だからこそ、1曲目にふさわしいとも思えるし。
 ホント、綱渡りでしたけどね。5月からはワンマン・ツアーが始まるので、それのリハに集中するために4月末に終わろうと言ってたのが、結局、ツアーの初日の1週間前に全部出来上がったという。
江口:最後はワンマン・ツアーのリハにまでかぶっちゃう感じでドタバタだったんですけど、結果的にここまで悩んで良かったなって思える1曲目が、全員共通の思いのもとにできましたね。
田邊:たぶん、最初に言ってた3曲を加えた10曲入りにしてたら、もう今、こんなテンションで話してないですね(笑)。
高村:心の底からはきっと喜べなかったよね。
田邊:そう、それこそ今まで以上に噛み砕かないといけないようなアルバムになってたかもしれない。制作作業を終えたとき、振り幅がすべてじゃないんだなと思ったんですよ。もちろん、今回もジャンルに富んだ作品になってますけど、闘ってる部分は闘ってるんですよね。それこそ「JUST AWAKE」から続くエモな部分だったり、「もっと光を」より、もっと言葉の力を重視した「SMILE」という曲が出たり、既存の4曲とも闘えた。例えば、4つ打ちの「ロストジンクス」という曲よりも、さらにみんながフェスで盛り上がる画が見える「LIVER」って曲が作れたりね。だからこそ、前半に録った3曲も殺されることなく、むしろ、より光を放ったんですよ。結果的に“全部いいもん!”って思えたんですよね。「TAKEN」もここにあるから良さがはっきり分かるし、マイナー調のツービートの曲ができて、カントリーっぽい曲ができて、「JUMP」っていう今までなかった、みんなで飛び跳ねる曲もできた。そういう全部の振り幅が、ちゃんと自分たちと向き合えた結果、活きたんですよね。ホントに11曲で良かった。奇しくも今年でBLUE ENCOUNTも11年目ですから、因果応報というのか、できるべくしてできたのが、この『≒』だったなと。
江口:3月に田邊が毒を吐いた事件があって、ホント良かったというか、それに尽きますね。それがなかったら、ここまで聴けるアルバムになってなかったでしょうし、すごく愛でてやれる作品になったなと思うんですよ。
——『≒』というアルバム・タイトルに込めた意味などは?
田邊:これはシンプル・イズ・ベストでございまして、BLUE ENCOUNTがライブでよく言ってることなんですよね。俺らとあなたには垣根がないですと。悩み続けてて、もがいてて、それでも超えられない壁がある。でも、超えられたときには一緒に喜んでいこうよって。会社員だろうが学生だろうがバンドマンだろうが、そんなものはただの肩書であって。それをただただこの記号で表せたんですよ。でも、“=”で結ぶのは偽善だなと思ったんで、“ほぼ一緒”だと。これもたまたま出会いというか、僕らは高校のとき理数系の学校だったから、この記号をよく見てたんですよ。そんな意味でも納得できるところはありましたね。
辻村:俺は理系じゃなかったんで、この記号がきたときに、まったく何だか分かりませんでした(笑)。
——そうでしょうね。理系出身じゃなければ使わないですよ(笑)。
田邊:ははは(笑)。僕らは慣れ親しんでいたものだし、違和感なくアウトプットできたんですけど、初めて見た人が調べてみたときに、ポジティブに受け止めてもらえればいいなって。言葉を大事にしてきたバンドが、あえて一文字で表した。そんなところにも注目していただけたらなと思っております。
——さて、この夏はフェスティバル三昧ですが、続く単独ツアーは会場の規模が大きくなっていますよね。
田邊:そのデカさに物怖じしないように、夏フェスでしっかり勉強をさせてもらってというところもありますし、大好きな9mm Parabellum Bulletのツアーに呼んでもらえたり、夢だったことが実現できる夏と秋になるんですよね。それを経ての年末のツアーですから、そのすべてのキャパシティーを飲み込めるようなバンドになりたいし、サウンドを届けたいですね。新曲がライブではどんなことになっているのか、アルバムを聴いて、GiGSを読んで、楽しみにしてくれている人たちには、その答えをしっかり見ていただきたいなと。ぜひライブハウスに来て欲しいですね。