ミックステープ文化論

2017年グラミー賞で最優秀ラップ・アルバムを授賞したのはチャンス・ザ・ラッパーによる“ミックステープ”だった。 業界大手をも動かし、さらにあの保守的なグラミー賞が受賞資格まで変えるとは! そもそも、ストリーミング限定の作品で、テープでさえないのに“ミックステープ”とは? ある意味“最もヒップホップ的”な文化であるミックステープ、世界初の専門書登場! 【CONTENTS】 第1章 ミックステープの出現 1. ラップ・レコード登場以前 2. クラブプレイからミックスショウへ 3. ミックステープの完成〜『52 Beats』 4. ブレンドでミックスキングに 5. 区切りの年、1991年 第2章 ミックステープ・ゲーム 1. エクスクルーシヴ 2. ジ・オリジネーター 3. ミックステープ・アウォーズと95年 4 .録り下ろしフリースタイル 5. ミックステープの商業化 6. 殺るか殺られるか~ドキュメンタリーとして 7. コンピからアルバム型へ、DJからアーティスト主導へ 8. セルフ・ブランディングのツールとして 9. ニューヨーク以外の地域での興隆 10. アンオフィシャル・リミックスとジェイ・Z 11. ミックステープ発信体制の整備とフリーダウンロード 第3章 新たな局面へ 1. ミックステープ・ゲームの強制終了 2. ゲームの再起動とフリーダウンロード 3. ヒット・シングルを生み出すミックステープ 4. ミックステープの当たり年 5. 変化するフリーダウンロードへの認識 6. ストリーミングで変わるミックステープの位置付け