『ヴァケーション』

東芝EMI
全21曲収録
TOCT-10488
1,960円(税込定価)
10/14 ON SALE

東芝レコードがまだ東京芝浦電気株式会社レコード事業部だった60年4月に入社した草野浩二ディレクターと当時ミュージック・ライフ編集長(=訳詞家、漣健児)であった草野昌一氏。この草野ブラザーズの強力な連携プレイにより一大ブームを巻き起こし、各社も追随することになった、60'Sカヴァー・ポップス。老舗、東芝ならではの豪華ラインナップによる漣作品をギッシリ詰め込んだ本盤。十分にお楽しみ下さい。

01.ヴァケーション●弘田三枝子
 草野ディレクターが育てあげたダイナマイト娘、ミコちゃんの代表作。オリジナルはコニー・フランシスで、「わたしたちの季節到来よ」と夏休みについて歌われていますが、漣健児の詞には春夏秋冬の楽しいお休みが登場します。[62年10月リリース]

02.カマ・カマ・ベイビー●坂本九&パラダイス・キング
 「ステキなタイミング」同様、ファルセットが特徴的なナンバー。オリジナルは黒人シンガーのトニー・アレン。作者は「手拍子ロック」等のR&Bヒットで知られるジョニー・オーティス。コロムビアの鈴木やすしのローカル盤もリリースされました。[62年9月リリース]

03.恋のやせがまん●ダニー飯田とパラダイス・キング
 「シェリー」に続き、九重佑三子のハイトーンをフィーチャーしてフォー・シーズンズの全米No.1をカヴァー。原題の"Big Girl Don't Cry"を「恋のやせがまん」にしたセンスは漣健児ならでは。[63年3月リリース]

04.ネイビー・ブルー(悲しき水兵さん)●九重佑三子&パラダイス・キング
 オリジナルはビートルズ旋風が吹き荒れる中、フィラデルフィア出身のカワイコちゃんシンガー、ダイアン・リネイがカッ飛ばした全米トップ10ヒット。漣健児はタイトルにひっかけて、あたしの彼を「青いおめめをした水兵さん」にしています。また、原詞にはない「ラッキーリング」も登場します。[64年4月リリース]

05.浮気なスー(悲しき恋の物語)/スリー・ファンキーズ
ディオンの全米No.1ソング。スリー・ファンキーズは彼らのデビュー作となった25cmLP『スリー・ファンキーズ・ヒット・パレード』の中で取り上げました。原詞では"浮気なスー"について、「彼女に微笑は禁物さ」ともうコリゴリだと歌われていますが、漣健児の詞はわかっちゃいるけど「まだ愛してる」という内容に変わっています。[62年1月リリース]

06.シャンパン・ツイスト●ベニ・シスターズ
 60年代前半のアメリカでのガール・グループ・ブームに対応して登場した日本で唯一の姉妹三人組。この曲はコロムビアの麻生京子もとりあげたナンバーで、ベニ・シスターズは25cmLP『ベニ・シスターズ・ヒット・パレード』に収録しています。[62年7月リリース]

07.想い出の冬休み●弘田三枝子
 コニー・フランシスの62年末のヒット"I'm Gonna Be Warm This Winter"がオリジナル。ミコちゃんの盤から2カ月遅れでテイチクの沢リリ子盤もリリースされました。「めぐり逢えた 冬休みを」の前の「ん〜」のパンチ力には完全にノック・ダウン![63年3月リリース]

08.可愛いベイビー●森山加代子
 森山加代子にとって「いつもアイ・ラヴ・ユー」以来、半年ぶりのカヴァー曲になったが、コニー・フランシス自身の日本語盤も含め競作ラッシュとなったこの「可愛いベイビー」。カヨちゃんだけは“愛している彼かしら”と歌っています。[62年5月リリース]

09.すてきな16才●弘田三枝子
 ミコちゃんの第2弾。オリジナルはニール・セダカのおなじみの全米トップ10ヒット。原詞を離れ、「口紅つけて気どってみたの」、「だって私は もうレディーなの」といったフレーズを盛り込んだミコちゃんのキャラクターにピッタリの漣ワールドが展開されています。[62年2月リリース]

10.悲しき片想い●弘田三枝子
 「子供じゃないの」とのカップリングでリリースされたミコちゃんのデビュー作。オリジナルはヘレン・シャピロの全英No.1ヒット。漣健児自らイギリスに出向き、パブリッシャーと契約した楽曲の一つです。[61年11月リリース]

11.私を愛して●奥村チヨ
 和製シルヴィ・バルタンとして登場した、奥村チヨのデビュー曲。バルタンの「アイドルを探せ」に続く日本でのヒットで、ビクターの中尾ミエによるローカル盤もリリースされました。[65年3月リリース]

12.悲恋のワルツ●ナット・キング・コール
 「ラヴ」とのカップリングでリリースされたナンバー。原題は"I Don't Want To Be Hurt Anymore"。英語盤は64年春に全米ヒットしています。フランク永井のローカル盤もリリースされました。[64年10月リリース]

13.悲しきパラダイス●尾藤イサオ
 代表作「悲しき願い」に続く、第5弾シングル。オリジナルは、メンフィス・サウンドの立役者として日本で売り出されたボビー・ウッドの"Fool's Paradise"。[65年12月リリース]

14.ノー・モア(ラ・パロマ)●ジェリー藤尾
 映画『ブルー・ハワイ』の中でエルヴィス・プレスリーが歌ったナンバーで、日本では「ブルー・ハワイ」とのカップリングでシングル発売されました。このジェリー藤尾盤の編曲はダニー飯田が担当しています。[62年5月リリース]

15.若さを歌おう●富松千代志
 後にパラダイス・キングの正式メンバーとなった大阪出身のシンガー、富松千代志のデビュー曲「サミーのマーチ」のB面収録曲。「星空のブルース」のヒットで知られるドイツのベルト・ケンプフェルト楽団のヒット曲で、クール・キャッツ、雪村いづみもローカル盤をリリースしました。漣健児は一番、二番、三番…歌詞の最後に出てくる言葉を次の歌詞の冒頭に使うという尻とりゲームの要領で詞を付けています。[64年7月リリース]

16.今日の涙は明日の虹さ●山下敬二郎
 ご存じ"ロカビリー三人男"の一人、山下敬二郎の知る人ぞ知る名カヴァー曲。オリジナルは、ジーン・ピットニーが書いたリッキー・ネルソンのヒット曲"Today's Teardrops"。
[61年12月リリース]

17.禁じられた恋のボレロ●水原弘
 アルジェリア動乱に咲いた恋をテーマにしたナンバーで原題は"Amour De Laure"(Laure's Love)。水原弘はこの曲の他にも「哀愁のテーマ」、「悲恋の掟」といった漣作品を取りあげています。[61年3月リリース]

18.ジプシー・ウーマン●瀬高明
 鈴木英治とブルー・カウボーイズのシンガーとして歌っているところをスカウトされてデビューした瀬高明の第3弾のB面曲。オリジナルはリック・ネルソンの全米ヒット「恋の占い」。インプレッションズのナンバーとは同名異曲です。[63年9月リリース]

19.ヒッピ・ヒッピ・シェイク●赤井良輔&パラダイス・キング
 スウィンギング・ブルー・ジーンズのヒット曲。「これが地獄から持ってきた 今ハヤリのビートの踊りだ」の漣健児のフレーズが強烈です。[64年7月リリース]

20.抱きしめたい●スリー・ファンキーズ
 漣健児が最初に手掛けたビートルズ・ナンバー。スリー・ファンキーズのメンバーが草野浩二ディレクターを通して、漣健児に訳詞を依頼して出来上がったものです。[64年4月リリース]

21.機嫌を直してもう一度●望月浩
「イカシタ彼氏」、「ワン・ファイン・デイ」の大ヒットで知られるガール・グループ、シフォンズにとって最後の全米ヒットとなったナンバー。ビートルズ日本公演のオープニング・アクトを務めた一人でもある望月望がカヴァーしました。[70年9月リリース]

                98年8月  澤山博之