■3年3ヶ月振りのアルバム、なぜここまでリリースに時間がかかってしまったんですか?
吉田慎一郎 (Dr., Cho.)「メジャー契約が終わった時(『ヘブン』リリース後)にすぐ出そうって話にもなったんですけど、あるメンバーからストップがかかって。“今までは期限ありきのところで作品を作ってアルバムを出してたけど、そうじゃなくて。等身大でやって、出来たら出そう”っていう強い意見が出て。“そうやって地に足つけてやらんと、何やってるか分からんとよ”って」
■……と、諭介君が言ったんですね(笑)。
吉田「うん(笑)。で、僕らも“そういうことなら……納得いくものが出来た時に、それを出そう”っていうスタンスを基本に置くようにしたんですよ」
■そういえば“地に足がついているもの”って、前作の『ヘブン』の取材でもキーワードとして出てましたね。その時に言ってたことと今とでは、違った意味を持つ話なんでしょうか?
八谷健太郎 (G., Cho)「う〜ん……違うと思いますね。話がうまくまとまらないかもしれないですけど……『ヘブン』と同じように、今回も草場君の詞曲が多くて…………ちょっとほかの人に聞いてください(笑)。その間に考えます」
■(笑)じゃあストップをかけた、諭介君に聞きましょう。
中尾諭介(Vo., G.)「ストップはかけてないけど、別に。それに僕は“地に足つけて”って言った記憶もないんだけど(笑)、地に足つこうがつくまいが、アルバムは出したくないなぁって思ってて。ガッカリされる方も多いかもしれないけど、基本的にアルバムを出したいと思ったことって、あんまりない」
草場敬普(B., Cho)「毎回言ってたよね、それ」
吉田「メジャーの時から言ってた」
中尾「メジャー・デビューしたかったけど、アルバム出したくなかったし(笑)」
草場「それじゃデビュー出来ねえよ」
中尾「だから“あ、やらないかんちゃ!”って、やったけど」
■しかし何で、以前から“出したくない”って思ってたんですかね?
中尾「何でやろ。デビューする前に書き溜めてたやつがあったから、1枚は出したかったけど。でもそのあとすぐに期限が来て。“期限ありきで作らないかん”となると……まぁ、その前からメンバー内で期限決めて作ったりはしよったけど……(突然→)“やったろう!”とは思ってたよ? “やってやるぜ!”とも思ってたし……やったよ!!(笑)」
一同「あはははっ」
中尾「やったけど。でも期限に合わせていかんでも、出来た時にやればいいっちゃねっかなあとか思って」
草場「そんな言い方してたよね、メジャー終わった時にね」
中尾「結果、僕はこの3年で1曲しか作ってないけど……でも予定では、もうちょっと曲が出来てるはずだったんだけどね」
■その話はまたあとで聞くことにします。ではハチ君、“地に足つけて”ということについて、昔と今とでのニュアンスの違いはまとまりましたか?
八谷「う〜んと……もとい、してもいいですか?(笑) やはり“中尾さん次第”ってところがあるので。“歌う人、歌ってくれる人=中尾さん”なので、その人のモチベーションなり何なりが上がらないことには」
中尾「何か僕、すげぇヤな奴あつかいになっちゃうんじゃないの?」
一同「わはははっ」
八谷「で、この3年間の中で歌いたいっていう気持ちも生まれてきただろうし……という意味での、今回のリリースだと思う」
■ということは、今まで“諭介君待ち”の状態だったってことですか?
中尾「んなことないやろっ(笑)」
八谷「それも、あった。でもうちらがゴリ押しで“これを歌ってくれよ”って言っても、良いものは出来ないんですよね、中尾君がそういうモードにならない限りは。という意味での3年、だったのかな」
中尾「(小声で→)中尾君、ヒドい(笑)」
■ハハハ。じゃあやっぱり諭介君が原因で、リリースがなかったんだ?
中尾「いや、それはない。僕はただ、僕のペースで歌いたいことを歌ったりしたいだけで。嫌なもんは嫌だったり……“嫌なもん”って、嫌で音楽やってるわけじゃないけど(笑)。その〜、何やろなぁ」
八谷「うん。言葉ではうまく言われへんものがある」
■「メンバーそれぞれの思いがある」ってこと?
八谷「あると思う」 |